名水の新たな楽しみ方! 全国各地に広がる「名水サイダー」5選
近年のご当地飲料ブームとともに、地域の資源や特産品などを活かした地ビールならぬ「地サイダー」が人気を博している。今や100銘柄を超える地サイダーがあるといわれるが、なかでも天然名水を使って仕込んだ全国の「名水サイダー」に注目したい。
最初に紹介するのは、「富士山サイダー」は、モンドセレクション最高金賞を受賞した名水「富士山萬年水」を使い、富士山をイメージして作られたサイダーだ。萬年水とは、須津川渓谷にある大棚の滝付近で汲み上げている天然水のこと。取水地には約250メートルの深井戸があり、ミネラル豊富で良質な天然水を汲み上げることができる。天然水の味わいを活かすために甘味を抑え、スッキリとした喉越しが特徴のサイダーだ。
"水の郷”として知られる秋田県美郷町六郷地区の湧き水を使用して作られているのは、「仁手古サイダー」だ。六郷湧水群のなかでもっとも湧水量が多いとされるニテコ清水を使って100年以上製造されており、水本来のおいしさを引き出すため、まろやかな炭酸を使っている。
同じく東北の名水サイダーが「龍泉洞地サイダー」だ。岩手県岩泉町にある、日本三大鍾乳洞のひとつ「龍泉洞」は、世界有数の水の透明度を誇る美しい地底湖で知られる。日本一ともいわれるその水を原料に作られているだけに飲みやすさも抜群だ。普通のサイダーと比べ、甘さは約半分で炭酸も控えめ。風呂あがりに飲みたい飲料を目指しており、爽やかな喉越しとすっきりとした後味が特徴。
アルプスが育んだ地下水のおいしさを活かそうと、宇奈月町商工会青年部の面々の情熱を込めた逸品が「黒部の泡水」。とにかく水のおいしさを損わないために、果実から作ったなかでも高品質の果糖を使う徹底ぶりだ。おいしさの魅力を完璧に伝えるために、昔ながらのサイダーの懐かしさを再現しようと「ビン」と「王冠」も採用した。まさに昔ながらのほんとうにおいしいサイダーとなって蘇った。
伝説が生み出した名水サイダーもある。長野県北部にある内山に、龍起寺清水と呼ばれる名水がある。全国行脚をしていた弘法大師が水を欲しがる村人の願いを聞き、杖をついたところ、数日後に清水が湧いたと伝わる。その名水を惜しげもなく使って作られたのが「きらめく農村」だ。軟水の魅力を活かすべく甘さを控えさっぱりとした飲み口が特徴のサイダーだろう。
原料がシンプルなことから、水の質でも味わいを左右されるサイダー。日本の豊かな水に感謝しつつ、旅先で出会った時はぜひ当地の名水サイダーも楽しみたい。