「女性は性的に無垢である」という偏見と性産業差別 「AV新法」の暴かれた杜撰な中身【篁五郎】
◾️立憲民主党をスケープゴートにして隠れている自民党と公明党
参加した政治家からも「改正は必要」といった声がシンポジウムの最中から出ており、日本維新の会、浜田聡参議院議員が改正案を作成中だそうだ。立憲民主党の川田龍平参議院議員は「当初の規制から、法規制が大きくなったと感じます。業界の皆さんの意見を聞く時間がなかった、拙速に決めたところがあると思う」と検証が必要と述べた。日本維新の会の堀場さち子衆院議員は「法律があって(女性を)守ることができれば良いという1つの論点があった。労働として、女性が選択肢として持っておくべきだと考えている。非常に困っている人がいることもしっかり理解し、改正も頑張らせていただきたい」と語った。
国民民主党の前衆議院議員・たるい良和氏は「AV業界で働いている人が職をなくしたら介護職員でもなればいいという国会議員もいる。でも、こっちが崇高な仕事で、こっちは駄目みたいなこと言ったらいけません。本当に強く思いますし、これはAV業界を潰しにかかってる法律だと思います」と語り、党へ持ち帰って提案すると約束した。
同シンポジウムには、現職のセクシー女優・星乃莉子氏も当事者として発言している。
「私たちを全く知らない人から、職業の決めつけで制限される。真剣に取り組んでいる人たちでさえ、被害者だと決めつけてしまうところに、悲しいというか尊厳を害されている感じがする」
星乃氏はAVに出演していることで被害者だと決めつけられていると訴えた。
「生活に関わり、人生を左右する…女性1人の人生、尊厳を左右する。(それを)たった3カ月(の審議)で決めるのではなく、当事者の意見を聞いてほしい。私の表現の仕方、自由が奪われる。自分の人生を考えるきっかけになった。国会の方々に自分たちの小さい声が届くことを願っています」
上記のように強い言葉で同法の改正を望んだ。
宇佐美典也氏はシンポジウム終了後、メディアの取材に応じ、現状は立憲民主党をスケープゴートにして自公は隠れていると批判。自民党の牧原秀樹衆議院が、3月15日に投稿したX(旧Twitter)で「全会一致で成立した議員立法ですので改正するにしても全会一致が基本」と断言したが、宇佐美氏は「全会一致である必要はない」と否定した。さらに「ごまかさないで自民と公明は動いてください」と指摘。「自公による人権侵害と言ってもいいのか?」という問いには「大丈夫です」と答えた。
自民党と公明党は「野党の理解が」と責任逃れをせず、現場からのヒアリングをして法改正をすべきだ。「表現の自由」、「職業選択の自由」は守られて当然である。できないなら憲法遵守義務違反なのを肝に銘じてほしい。
文:篁五郎