心ない一言に、どうしても伝えたいこと。
お笑い芸人・杉浦双亮の挑戦記〈23〉
独立リーグでプレーする人たちの何がすごいのか。実際にプレーし、知ってほしいと思ったこと。
技術面よりもすごいチームメイトの精神力
そしてもっと大変――というより独立リーグでプレーしている人たちをすごいと思うことはその精神力だ。はっきり言って、独立リーグでプレーをし続けるのは簡単なことではない。もちろん、好きな野球をやれることは幸せだ。でも、それ以上に、ほかの同年代が経験するような「遊ぶ時間」や「遊ぶお金」というものはまったくない。20代前半という、いろいろなことを経験してみたい、と思う時期に、そのすべてを野球につぎ込んでいるのだ。
給料は週3、4回のアルバイトをするより少ない人がほとんどだ。
本当に野球が好きで、向上心がある人、そして精神力が強い人でないと続けられないと思う。
僕がここにきて思うのはそうした続ける力を持つこと、それはすばらしい才能である、ということだ。
もしかしたら、今は野球をやめているけれど、150キロを投げることができる人はいるかもしれない。ホームランを打てる人はいるかもしれない。
でも、今は150キロが投げられないけれど、それを達成するために努力をしている人。今はホームランを打てないけれど、打てるようになるために日々研鑽を積んでいる人、その人たちのほうが僕はすごいと思う。
やっぱり続けること、というのはそれだけ厳しく自分を律し、多くの我慢を必要とすることで、それができるか、できないかというのは才能の有無でもあると思う。
今、この挑戦を続けている独立リーグのみんなを僕は尊敬するし、誰よりすごい選手たちだと思っている。
なんで急にこんなことを書いたかというと……。
実は先日、練習を終えた直後に悲しい言葉を聞いた。僕らの練習が始まる前、そのグラウンドを使って草野球をしていた人のひとりがこう言っていたというのだ。
「愛媛マンダリンパイレーツなんてオレでもすぐ入れるよ」
きっと、僕が入っていることもあって、その人はそんなことを言ったのだろう。悪気はなかったのかもしれない。けれど、それを聞いて僕は、チームメイトに申し訳ないと思ったし、ぜひその言葉を言った人には球場に足を運んで試合を観てみてほしいと思った。
強い精神力を持った、レベルの高い選手たちのプレーは想像以上のはずだ。
ちょっといつもと違ったトーンになってしまった。
8月20日の先発マウンドまでしっかりとコンディションを整えていきたい。
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