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うかつに手を出すのは危険!
糖質制限の落とし穴!

大人気ボディワーカー森拓郎氏が教える、ダイエットの究極メソッド

 即効性のあるダイエットといえば糖質制限と考える人も多いのではないでしょうか。けれども、これまで様々な議論がもたらされてきたように、うかつに手を出すと健康を損なうことも……?
 13万人以上の身体を見てきたからこそ言える究極のダイエット本『やめたい食べグセ』の著者、大人気のボディワーカー森拓郎氏に正しい糖質制限との付き合い方を教えていただきました。

 ここ数年、糖質制限がやたらともてはやされています。
 実は2003年頃にアメリカでアトキンスダイエットという糖質制限ダイエットが大ブームになり、日本でも話題になりましたが、それは一時的で去ってしまいました。そして2012年頃から、糖尿病治療として有効であるということが話題になり、アトキンスダイエットの頃より科学的根拠も揃ってきたため、最近ではスタンダードな地位を確立してきたようにも思います。

 

チャーハン、ラーメン、唐揚げ……糖質を抜くのがベスト?

 私の糖質に対する基本的な考え方は、「0か100ではない」です。炭水化物だって必要な栄養素ですから、摂るべきときには摂らないといけないのです。ですから、理論上血糖値を上げてしまう糖質は、摂取ゼロでも生きていけるとする糖尿病治療としての糖質制限と、必要なものを摂り入れ、不要な分を排除していく食習慣矯正という意味での糖質背源は、考えのベースが同じでも、やりかたや視点が多少異なってくる可能性があります。

◆カロリーが減っただけに惑わされるな

 糖質を抜くと確かにすぐに体重は減ります。この数字に踊らされて、もっと糖質制限すれば、体脂肪、体重も減ると短絡的に考えていませんか。
 ここで注意したいのは、食事から主食を排除することで、以前より低カロリーになるからということもあります。
 例えばコロッケ定食のように、コロッケ(糖質+油)+白米(糖質)から白米を抜けば、摂取カロリーは減っても炭水化物しか摂っていないことに変わりはありません。
 つまり、筋肉や皮膚などを作るために必要なタンパク質が摂れていないことに変わりはなく、これまでと同じ食生活を続けたまま糖質制限をするのであれば栄養不足になる一方です。

 実際、最近話題になっている「新型栄養失調」もタンパク質不足が主な原因です。初期には通常の栄養失調と同じような自覚症状が現れます。そして身体を維持する機能が低下し、筋肉量が減って免疫機能が低下し、血管や臓器ももろくなるというもの。
 きちんと3食食べているように見えても、実は身体に必要な栄養素が摂れていない人がいて、厚生労働省の調査によると、70歳以上の5人に1人が該当し、ダイエットを気にする若い女性にも患者が増えてきています。

◆重要なのは量よりも質

 あなたが気をつけなくてはいけないのは、どんな組み合わせで食べるかということです。糖質をガッツリ摂りたいのであれば、高タンパクで脂質の少ないものと組み合わせる、逆に脂質をしっかり摂りたい食生活を過ごしたいならば糖質を控えるといった工夫を自分の好みに合わせましょう。

 エネルギーの総量とその質、そしてインスリン分泌のバランスを考えた食習慣を心がけることが大事なのです。実際、糖質を減らすことによってインスリン分泌や血糖値の上がり下がりがなくなったため、今までより食べなくても満足できるようになった人もいます。糖質制限で食欲が適性に保たれるようになるのです。

 また、総カロリーは同じでも、タンパク質を増やすことで摂取する三大栄養素の割合がよくなり、栄養状態が適性になってホルモンの状態が正常化し体調がよくなることも考えられます。

 まずは食べる量を減らすのではなく、糖質だったものをタンパク質中心のものに置き換えるということから始めるほうが、無理なく継続しやすくなります。

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~プロフィール~

1982年生まれ。株式会社rrinato代表取締役。大手フィットネスクラブを経て、2009年「rinato」(加圧トレーニング&ピラティススタジオ)を東京・恵比寿にオープン。トレーニング至上主義に疑問を感じ、栄養学を学び、健康的に理想の身体をつくるための食事指導に力を入れている。主な著書に『ダイエットは運動1割、食事9割』(ディスカヴァートゥエンティワン)、『味覚を変えればやせられる』(大和書房)など。


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