「ごっつぁんゴール」と「スーパーゴール」
得点を重ねる選手に必要な条件とは――岩政大樹が書き下ろす「現役目線」
「現役目線」――サッカー選手、岩政大樹が書き下ろす、サッカーの常識への挑戦
■チャンスは突然やってくる
僕たち選手は当然ながら、毎日のようにサッカーをしています。試合がない日もチームメイトと汗水流して練習に励んでいます。サッカーを辞める日が来るまで、自分の目指す選手像を描きながら日々取り組んでいきます。
その中で僕たちがいつまでも直面する不変の課題が、サッカーは「ゴールが生まれにくい」スポーツだということです。
思うようにはなかなか物事が進んでくれません。
その分、ゴールの価値はものすごく高く、特にプロの世界では、一つのゴールで人生が変わることも少なくありません。
しかし、その一つのゴールが生まれるまでにはたくさんの無駄と思われるような動きを地道に繰り返さなくてはいけません。李選手が言うようにそれは100回に1回かもしれませんが、一つの大きな感動を味わうために、それまでに何倍もの“無駄”を無駄と思わず繰り返すのです。
サッカーは流れるスポーツなので、いちいち「チャンスだ」と気持ちを入れ直すわけにはいきません。
チャンスは突然やってきます。
そのときに体が反応するのは、自分が取り組んできた日常です。つまり、「やるときはやる」ではコンスタントな結果は得られません。ごっつぁんゴールを決めるためには、毎日練習から、いつも可能性を信じてこぼれ球につめ続ける習慣を身につけておかなくてはいけません。