女優・石原さとみが明かした「7年前からずっと不安に襲われていたこと」とは
◾️やっぱり凄い! 石原さとみの情熱と積極的な行動力
「そうですね、多分このままじゃいけないというのを7年前のその時というよりも、ちょっと前からずっとなんですけれど、(自分が)変わりたいというのと、自分の伸び代を信じたいなというのをすごく感じていました。自分にはもっとできることがあるんじゃないかなとか。私自身が知らないところに行ってみたいなとか。もっともっとお芝居が好きになりたいな、学びたいな、変わりたいな、今の自分を壊してほしいなってすごく思いました。そこで出会ったのが𠮷田恵輔作品で、この人だったら私を変えてくれるはずだとなぜか直感で思いました。お仕事絡みよりは直接プライベートでお願いした方が伝わりやすいのかなと勝手に思って、自分の行動に移して今に至ります。お会いした瞬間、監督は酔っぱらっていたんですが、その時に普通にお願いしたんです。『あなたの作品に出たいです』って。『どんな役でもいいです』って言ったら、『ちょっと石原さんはメジャーでイメージ湧かないな、ちょっと都会の匂いがするな』みたいなことをおっしゃられて。『だからこそお願いしたいんです』って伝えて、『連絡先だけでも』ってお願いして、(連絡先を)交換させていただいたのが最初です。3年間全く音沙汰無かったんですが、3年後に『脚本を書きました』と連絡をいただいて、本当に漫画(のシーンに出てくる)みたいに飛び跳ねるくらい喜びました」
「𠮷田恵輔作品に出られるっていうことが本当に嬉しかったです。絶対に学びがあるだろうなと。そして脚本を読んだ時、絶対に当て書きでもないだろうなと、私のことなんて1ミリも想像して書かれてないなと。しかも私が一番初めに思い浮かんだ女優さんでもないと思ったんですよ。ちょっと聞いてないのでわからないんですが。そこでギャンブルのように石原さとみでやってみようって考えてオファーしてくださったのかなと。その𠮷田さんの、この勇気というか、挑戦が本当に嬉しくて、だからこそ自分にできるんだろうかっていう不安が出てきたりもしました」
さらに石原は𠮷田恵輔監督の作品の魅力を次のように語った。
「音もそうですけど、匂いが伝わってくるというか、ドキュメンタリーを見ているような感覚になるんです。𠮷田作品って。本当にそこに生きている人をドキュメンタリーで撮っているかのような作品に感じられて。主人公が主人公としてフォーカスされていないのが私はとても好きで、映画だと主人公をベースに描いていくので、ずっとフォーカスがそこになると、他の出ている人たちが消されていくことがよくあるんですね。だけどそうじゃなくて、悲劇のヒロインじゃないんだよっていう、あなただけが世界の中心じゃないんだよっていうことを𠮷田作品からすごく感じるんです。あなたが同じ時に苦しんでいても、悲しんでいても、同じ時、同じ時間に、違うことでエネルギーを使っている人がいたり、怒っている人がいたり、悲しんでいる人がいたり、笑っている人がいたりして、人には人のそれぞれ時間軸があるんだということが、一枚の絵でとてもわかる。なんか、本当にドキュメンタリーのような、これがリアリティーだなってすごく感じられて、だから好きなんです」