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夏の岡山にて ~①岡山城~

季節と時節でつづる戦国おりおり第249回

 

 7月末日、炎天下の岡山へ。岡山城も何気に20年以上ぶりだったりします。昔のフィルム写真をデジタル写真に更新するために、もっと頻度をあげてあちこち回らなきゃならないんですが、そっちにかまけていると首が回らなくなるという(笑)。

 城の北から東へグルリと迂回して流れる天然の水堀、旭川の流れとしろの緑が涼やかですが、実際は熱暑、猛暑。この方角から観ると、天守はスリムですね。

 暑さに萎えそうですが、勇をふるって城内へ。

 

 正面から観ると、特徴的な下膨れの望楼型天守。基礎部分から不等辺多角形状に建ちあがっているため、角度によって変わる「お化け天守」です。「烏城」の異名通り、漆黒の烏が羽をふくらませて蹲っているかのように見えますね。

 

 宇喜多秀家時代の石垣の一部です。23年前発掘されたもので、隅石の積み方など近世城郭の雰囲気が既に有るのが判りますね。

 

 二の丸北西部の石垣。秀家時代の西の丸です。このあたりは秀家の父・直家の時代には石山城という、宇喜多氏の本拠でした。秀家は新たにその東隣りの岡山に本丸を築き、石山・天神山を取り込む大改修をおこなって現在の岡山城の基礎を作ったのでした。

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橋場 日月

はしば あきら

はしば・あきら/大阪府出身。古文書などの史料を駆使した独自のアプローチで、新たな史観を浮き彫りにする研究家兼作家。主な著作に『新説桶狭間合戦』(学研)、『地形で読み解く「真田三代」最強の秘密』(朝日新書)、『大判ビジュアル図解 大迫力!写真と絵でわかる日本史』(西東社)など。


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