ラグビー日本代表「イングランドに惨敗」試合内容より深刻な〝寂しい観客席〟
6月22日、東京・国立競技場。エディー・ジョーンズ新監督(以下、HC:ヘッドコーチ)率いるラグビー日本代表が、世界ランキング5位の強豪イングランドと対戦した。昨年のワールドカップ(W杯)での悔しい敗戦の雪辱を果たすべく、意気込んだ「桜の戦士たち」。しかし、結果は10-52という大差での敗北。そして試合内容以上に深刻な問題が浮き彫りになった。
「こんなに席が空いているとは驚きでした」
そう語るのは、あるスポーツメディア編集者だ。
この日、公式発表では4万人を超える観客が訪れたとされている。しかし、テレビ中継で映し出される客席には、所々で空席が目立っていた。同じ国立競技場で行われた今年5月のリーグワン(国内トップリーグ)決勝では5万人超、2022年11月の日本対ニュージーランド(オールブラックス)戦では6万人以上を集めていたことを考えると、確かに寂しい。新体制での初戦という話題性があり、天気も良好だったにもかかわらず、なぜ集客がイマイチだったのか。
前出の編集者は次のように分析する。
「日本協会が導入した『ダイナミックプライシング』が裏目に出たのではないでしょうか。ダイナミックプライシングは、需要に応じて価格を変動させる仕組みのことですが、一部の人気席では価格が大幅に上昇していたようです。実際、スタンドで目立っていたのは財布に余裕のありそうな中高年層ばかり。若者や家族連れの姿はほとんど見かけませんでしたね。日本ラグビーフットボール協会は昨年度3億円を超える赤字決算でした。代表戦をドル箱と見て、強気の価格設定で赤字を取り返そうとしたのでしょうが……しかし、結果的に観客離れを招いてしまった可能性がありますね」
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