驚異のガン治療
西脇俊二医師の方法
超高濃度ビタミンC点滴と断糖食事療法の両方を同時にすることが決め手
夏井睦氏の『炭水化物が人類を滅ぼす――糖質制限からみた生命の科学』(光文社新書、2013)に続いて、宗田哲男氏の『ケトン体が人類を救う――糖質制限でなぜ健康になるのか』(光文社新書、2015)が話題になっている。
その宗田氏の本の317頁に、ハタイクリニックの西脇俊二医院長のことが次のように紹介されている。
「ハタイクリニックの西脇俊二先生は、『ガンが消える!』(KKベストセラーズ)という著書の中で、これ(=ブドウ糖を好むガン細胞を糖質制限で兵糧攻めにする食療法)に超高濃度ビタミンCの点滴を組み合わせるという方法で、余命3か月と言われるほど全身に転移があった進行がんの患者さんのがんを消しています。とくに結腸がん、膀胱がん、腎臓がん、乳がんの患者には、有意な差が認められるそうです。」
いったい、なぜ、超高濃度ビタミンC点滴と断糖療法で、がんが消えるのだろうか。『ガンが消える!』(KKベストセラーズ)によると、そのメカニズムは、次のようだという。
まず、ガンはブドウ糖を養分としている。だから、ブドウ糖を断つと、ガンは養分を失ってそれ以上大きくならない。しかし、これだけだと、単に、がんが大きくならないだけである。ところが、そこに超高濃度のビタミンCを同時に点滴してやる。すると、がん細胞の周囲に過酸化水素が発生する。過酸化水素には抗がん作用があって、がん細胞は攻撃されて小さくなっていく。
そして、ここが一番大事なところなのだが、ブドウ糖とビタミンCの化学組成は非常に似ているということだ。だから、糖質を断って、ガン細胞を飢餓状態にしたところで、そこに点滴でビタミンCがやってくると、ガン細胞は「ブドウ糖と間違えて」ビタミンCに飛びつき、その抗がん作用にやられて死滅してしまうのだと推測している。
仮に超高濃度ビタミンC点滴をやっても、一方でブドウ糖が十分に供給されていれば、がん細胞は死なない。がん細胞の栄養が十分に供給され続けているからだ。
だから、西脇医師が勧めるのは単なる糖質制限ではなく、ほぼ完璧な「断糖」食事療法である。その基準は一日5g以下という非常に厳しいものだ。
このほぼ完璧な断糖食事療法は、確かに非常に難しそうだ。果たして、自分にできるか、と思わず考えてしまう。しかし、自分がガンになったら、この方法を試してみたい。この本を読んだ人の多くはきっとそう感じるはずだ。(終)