桐谷美玲、河北麻友子はもう卒業? スレンダー芸能人をさらに極めるAKB千葉恵里と「ちょうどよい細さ」とは【宝泉薫】
2016年に上梓された拙著『痩せ姫 生きづらさの果てに』が重版となった。刊行時の表記ミスなどをいくつか修正したものの、基本的には同じ内容だ。もっとも、書いてから8年たったので、刊行当時とは状況が変化したところもある。
たとえば、第二章「SNSという居場所」の「スレンダー芸能人」という項だ。ここでは桐谷美玲と河北麻友子を「ツートップ」として紹介。当時、桐谷は164センチ39キロ、河北は162センチ38キロ、という、BMIならともに14.5くらいの体型だった。
それゆえ、世の女性の憧れも集めつつ、細すぎるとしてダメ出しもされやすい存在。そんな正負の反応に触れながら、本人やファンのコメントなども引用して、スレンダー芸能人及び細い女性たちの葛藤に焦点を当てたのがこの項だった。
ただ、ふたりはその後、結婚して、ともに1児の母親に。仕事も再開しているが、30代となった今、当時よりふっくらとした印象だ。実際、体重も増えているのではないか。
とはいえ、ふたりの果たした功績は大きい。それまでにも浅丘ルリ子や松本伊代など、30キロ台の体重が注目されたスレンダー芸能人はいたが、このふたりは身長も150センチ台。つまり、日本女性の平均もしくはそれ以下の背の高さだったわけだ。
これに対し、桐谷・河北は平均以上の身長がありながらの30キロ台。そんなふたりが、ドラマや映画、あるいはバラエティーで活躍し、インスタグラムで着こなしを披露するなどしてきた。そして、結婚や出産も経験。これは痩身と健康とが両立できることを示し、細くあることへの憧れをさらに高めただけでなく、美のハードルをますます上げたともいえる。
頑張れば、ふたりのようになれるかもという「希望」と、所詮、ふたりは特別な人なのではという「絶望」の両方をもたらす存在でもあったのだ。
では「ツートップ」が卒業しつつある今、跡を継ぐような存在はいるのだろうか。といいつつ、最近は芸能人の体重が公表されること自体が減ってしまっているが、そんななか、あえて公表して驚かせた人がいる。
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