桐谷美玲、河北麻友子はもう卒業? スレンダー芸能人をさらに極めるAKB千葉恵里と「ちょうどよい細さ」とは【宝泉薫】
そういえば最近、元乃木坂46の齋藤飛鳥も、ダイエットについて告白した。冠番組でもある「ハマスカ放送部」(テレビ朝日系)で、
「ゆで卵とチーズと……くらいしか食べてなかった時期はありました。ジムの人とかにはもちろん『やめなさい』って言われるけど、もうバグってるんで、頭(笑)」
と、発言。筆者はこの人の細さについて、体質的なものが大きいと思っていたので、意外な気もしたものだ。
しかし、世間では「なるほど」的な反応が優勢。細身のアイドルは何らかの無理をしているはずと考えるのが、多数派のようだ。なお、齋藤の身長は158センチなので、乃木坂時代のいちばん細かった時期は40キロなかったかもしれない。
そこで思い出すのが、献血をめぐる騒動。乃木坂は19年から21年にかけて日本赤十字社の献血促進プロジェクトに借り出され、彼女をリーダー格とした5人がCMなどに出演した。
が、二度目のキャンペーンの際、献血経験を聞かれた5人は全員が無言で首を振り、これをメディアが面白おかしく報道。世間の反応のなかには、体重が足りなくて献血できないメンバーもいるのではという見方もあった。
実際、女性は40キロ以上であることが条件のひとつだったりする。もちろん、彼女たちの役目は献血に行くことではなく、行かせることだ。太った女芸人とかが呼びかけるより、はるかに効果的だろう。
にもかかわらず、これが騒動化したのは、細いことを不健康だとして非難したい感覚が世の中にけっこう潜んでいるからでもある。乃木坂でも有数のスレンダー系だった齋藤がリーダー格というのも、事を大きくしたのではないか。
『痩せ姫 生きづらさの果てに』では、細いことをディスられることへの不満の声もいくつか紹介している。桐谷と河北は芸能界という目立つ世界で、そんな声も浴びせられがちという共通点から、仲良くなったりもした。
一方、今の芸能界にツートップ的な人はいない。千葉やあの、齋藤にしても、集中砲火という感じではなく、スレンダー芸能人をめぐっても多様化みたいなことが進んでいる印象だ。いや、芸能界に限らず、たとえばキャバ嬢はキャバ嬢のなかで、アスリートならアスリートのなかで、好みの細さの人を見つけて憧れるようになってきているのかもしれない。
それこそ、最近は痩せ願望の早期化が指摘されていて、小中学生には小中学生のスレンダー芸能人的な存在がいる。たとえば、その年代向けの雑誌モデルだ。
そのなかで忘れられない子について、書いておこう。ただ、もう引退してしまっているので匿名としたい。
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