桐谷美玲、河北麻友子はもう卒業? スレンダー芸能人をさらに極めるAKB千葉恵里と「ちょうどよい細さ」とは【宝泉薫】 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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桐谷美玲、河北麻友子はもう卒業? スレンダー芸能人をさらに極めるAKB千葉恵里と「ちょうどよい細さ」とは【宝泉薫】

 

 その子は小中学生向け雑誌のモデルとして、高い人気を誇り、将来を有望視されていたが、中2の後半に激痩せをきたした。その途中で行われた、モデルたちの身体測定企画では160.8センチ39キロ。しかし、最も細くなった時期の姿は30キロ近く、あるいは30キロを切っていたようにも見える。

 そこまでいくとさすがに「細すぎる」という声が多くなったものの「それでも可愛い」と推し続けるファンもいた。ちなみに、前出の千葉恵里を絶賛しているアイドル好きの女性はこの子についても言及。激痩せした時期の様子やその背景にも触れたうえで「憧れにしちゃいけない」ものだと見なしている。

 そこで考えてしまうのは「ちょうどよい細さ」になることや、そういう細さであり続けることの難しさだ。人によっては、千葉の段階ですら、よしとはしないわけで、誰もが共有できる「ちょうどよい細さ」はおそらく存在しない。

 


 

 筆者が長年見てきたなかでも、デブと呼ばれて痩せたらガイコツと言われた、などと語る人がちょくちょくいて、そのあたりがダイエットの難しさでもある。そもそも、痩せ姫の姿こそが「ちょうどよい細さ」だと感じる人もいることを思えば、正解を決める必要もないのだろう。

 大勢の人の視線にさらされ、羨望や嫉妬、快や不快といったさまざまな感情をもたらすスレンダー芸能人。どんな細さも、そして太さも、その人にとってよければよいのだ、ということにはなかなかならないだろうなというもどかしい現実も、彼女たちは教えてくれる。

 

文:宝泉薫(作家・芸能評論家)

 

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宝泉 薫

ほうせん かおる

1964年生まれ。主にテレビ・音楽、ダイエット・メンタルヘルスについて執筆。1995年に『ドキュメント摂食障害―明日の私を見つめて』(時事通信社・加藤秀樹名義)を出版する。2016年には『痩せ姫 生きづらさの果てに』(KKベストセラーズ)が話題に。近刊に『あのアイドルがなぜヌードに』(文春ムック)『平成「一発屋」見聞録』(言視舎)、最新刊に『平成の死 追悼は生きる糧』(KKベストセラーズ)がある。ツイッターは、@fuji507で更新中。 


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