阿部勇樹、佐藤勇人……現役サッカー選手からジャーナリスト、会社員が問う。
いまを生きるために、オシムに聞きたかったこと。その答えとは――。
日本人の悩みに、葛藤にオシムが答える。待望の最新刊はいまを生きるための人生論。
阿部勇樹、水野晃樹、中村憲剛……そして会社員、学生。
「僕らはまだまだ、オシムさん、あなたと話をしたい」
ジェフユナイテッド市原・千葉の監督として、日本代表監督として、多くの選手を指導し、今なお、慕われるイビチャ・オシム氏。サッカー指導者であり、稀代の哲学者でもあった氏に、聞きたかったことーー。
現役サッカー選手からジャーナリスト、会社員、学生などから募った質問にオシムが答える。一筋縄ではいかない、オシムの言葉。
加速化する時代に生き残るために必要な「知性」を語る。
<質問抜粋>
◆ジェフの時に試合前のミーティングで「この試合はこういう展開で進んでいく」のようなことを話したとき、そのゲームプラン通りにいく試合が多々あった。予測はしていたとは思いまますが、試合をどんなふうに見ていたのかを教えてください。
先を見据えて、今後の日本のサッカーを含め世界のサッカーがどんなふうに変わっていくのか、ご意見を聞きたい。(35歳・サッカー選手/阿部勇樹)
◆『昔のプレースタイルを追い求めるのを止め、新しいプレースタイルを確立した方がいいのでしょうか?』
ここ数年、自分のパフォーマンスが上がりません。以前のような強引な突破からのクロス、ドリブル、シュートに自信を持てないため、理想とするプレーとは違う選択をしてしまいます。
あの頃のプレースタイルを取り戻すために、アジリティやクイックネスのトレーニングに多くの時間を費やしているのですが、なかなか思う通りになっていないのが現状です。
昔のようなプレースタイルを追い求めるのを止め、新しいプレースタイルを確立した方がいいのでしょうか?
私は悩んでいます。
オシムさん、あなたにもう一度会いたいです。しかし、今の自分のプレーでは合わせる顔もないです。自分が納得できるプレーができるよう今まで以上に努めます。いつの日か胸を張ってあなたに会えるように。(30歳・サッカー選手/水野晃樹)
◆オシムさんとお会いしてから少し大人になりました。今後、長い期間プレーしていくのに必要になってくることはなんでしょうか? (28歳・サッカー選手/柏木陽介)
◆会社において、目標をともにしたチームを引っ張っていかなければならない立場です。しかし、それは簡単ではありませんでした。オシムさんはいかにして「チーム」を作っていったのでしょうか。(46歳・会社役員)
◆サッカーにおける世代交代はつねに問題となります。ベテランのあり方、若手登用の仕方、そして個々の選手の引き際……。ジェフ時代に若い選手を積極的に登用されたオシムさんは、どうやってそれを成功に導いたのでしょうか。教えて下さい。(44歳、会社員/ジェフサポーター)
◆オシムさんは、戦争を体験されています。いまも民族間の争いがあるボスニアでわれわれには想像できない社会を生きていらっしゃいます。そこでお聞きしたいです。その点で言えば日本は恵まれている、と言えるのでしょうか。そうした世界の状況の中で日本が経済成長だけを目指して発展をしていくことは正しいのでしょうか。(26歳・学生)など。