Scene.40 本屋から、詩人の詩が流れることもある!
高円寺文庫センター物語㊵
2003年4月、書評紙の週刊「読書人」に掲載された文庫センターのベストセラー。文庫センターならではの、著者と版元が居並ぶ。
世間的には、あの先生の「バカの壁」や「世界の中心で、愛」が、叫ばれたご時世にコレである。
以下、原文を転載。
① 間取りの手帖/佐藤和歌子/リトル・モア
② ボロボロになった人へ/リリー・フランキー/幻冬舎
③ 強く生きる言葉/岡本太郎・岡本敏子/イーストプレス
④ 毎月新聞/佐藤雅彦/毎日新聞社
⑤ 「ひとり暮らし」の女たち/バクシーシ山下/太田出版
⑥ トーキョー・リアルライフ/WEBアクロス編集室/実業之日本社
⑦ ASAKUSA STYLE/曽木幹太/文藝春秋
⑧ 嫌ダッと言っても愛してやるさ!/遠藤ミチロウ/マガジン・ファイブ
⑨ 穴が開いちゃったりして/隅田川乱一/石風社
⑩ 東京スーベニイル手帖/沼田元氣/白夜書房
――今月から「読書人」としては異色な、忌野清志郎曰く「ロックな本屋」サブカル日本一ともいわれる弊店が見参。
①は売上げ・評判絶好調で、最初の5冊は全て他社の版元の購入! 企画力に感心しきり。リトル・モアかつても今後も注目の出版社。
②弊店の看板・ブックカバーはリリーさんのデザインで大好評。
③数年前から異様な人気で、品切寸前の文庫をも重版させる勢い。「爆発!」は強かった。
④佐藤雅彦が毎日新聞に4年間連載したコラム「全仕事」も売れたので納得の入選。
⑤AV界の奇才バクシーシのお泊りルポ。いかにも高円寺的。
⑥続けて覗き的に42人の日記から消費生活を探る。
⑦朝日の書評で「TOKYO-STYLE」の都築さんが紹介したのはニヤリ。
⑧二度目のサイン会も盛況。
⑨福岡から熱い書物が届いた!
⑩実はカワイ系も強い。
遥かむかし、尖った書店・出版人には「読書人」「図書新聞」「日本読書新聞」といった、書評紙は必読だった。
哲学・思想、文学・芸術からサブカルまでと、世相を絡めとってペン先鋭い週刊新聞たちだった。
三誌共が取材に来てくれたのは嬉しかったが、版元はともかく本屋に読まれ続けているのだろうか?!
「店長。今回の『BRUTUS』は、よか!
早くも動き始めているけん、本屋の特集だと売れるばいね」
「出版関係の常連さんが多いから無理ないけど、本好きのお客さんは本屋も気になるとね。
これは内山くん、追加注文を頼むばい」
「雑誌の追加は、久しぶりやねぇ」
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