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【橋下徹VS大石あきこ】高裁での審議がスタート! 橋下徹は最高裁まで行くつもりか


弁護士で大阪府知事や大阪市長を歴任した橋下徹氏が、れいわ新選組共同代表の大石あきこ衆議院議員を名誉毀損で訴えた控訴審が、7月30日に大阪高裁で行われた。橋下氏は、日刊ゲンダイに掲載された大石議員のインタビュー記事の内容が自身の名誉を毀損したとして訴えを起こしていた。一審では、橋下氏の請求を全面的に棄却。小川嘉基裁判長は「発言の重要な部分は真実。論評の範囲を逸脱しておらず、不法行為には当たらない」と述べていた。しかし橋下氏は「大石氏の国会議員としてのあるまじき態度を改めさせ、反省を促すためにも控訴します」として高裁へ訴えていた。大石議員側は裁判後に記者会見を開き、裁判の経緯や主張内容、今後の見通しについて語った。


▲大石あきこ 記者会見・報告集会

■高裁でも橋下氏側の主張は変わっていなかった

 会見では、大石議員の弁護団長である弘中惇一郎弁護士が裁判の概要について改めて説明をした。「(橋下氏が)アメとムチでマスコミをDVして服従させた」という大石議員の発言が一審では真実であると認められた。

 大石議員側は、大阪市長時代の橋下氏が定例会見でMBS(毎日放送)の女性記者に対する吊し上げをしたこと、朝日新聞の女性記者に対するTwitter(現・X)での暴言、NHKに対する出演拒否騒動を「マスコミへのムチ」の具体例として提出した。

 弘中弁護士は控訴審で橋下氏側は3点主張してきたと述べている。

「控訴審でどういうことを言ったかというとですね、言ってきたのは三点ですね。一つは橋下さんは『自分はマスコミを大変尊重している。ただ、ときにとんでもないことを言うマスコミがあるので、そのときだけはこんな裁判を起こすこともある』ということ。

『あの記者を外せ』とか『どうにかせい』発言に関して。自分は記者に対してこうした発言をしたことがあるかもしれないけど、その会社の人事に影響力を行使したことはないということが二点目。

 三点目はですね、大石さんは『アメとムチ』という言葉を使ってるわけですけど、自分(橋下氏)は一つのマスメディアに対して、アメとムチを両方並べて『言う事を聞いたらこのアメをなめさせるけども、聞かなかったらムチをふるう』なんて事を言ったことはないんだと。この三点で反論してきたわけなんです」

 この橋下氏側の主張に対して大石議員側も答弁書を提出。一点目は無視して、二点目、三点目について具体的例を挙げて再反論をした。

 二点目については、一審でも証拠として提出したMBSの女性記者に対する吊し上げ、朝日新聞の女性記者に対するTwitterでの暴言を取り上げ、「その記者を取材に参加させるのならば、その社の取材に応じない」と橋下氏が述べていたことを出したという。

 三点目については、橋下氏が実際に一社に対してアメとムチを同時にふるったというわけではなく、マスメディアを通して「彼の言うことを聞かないとひどい目に遭うが、聞けば美味しい思いができる」というメッセージを発信していたということだ、と述べた。

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篁五郎

たかむら ごろう

1973年神奈川県出身。小売業、販売業、サービス業と非正規で仕事を転々した後、フリーライターへ転身。西部邁の表現者塾ににて保守思想を学び、個人で勉強を続けている。現在、都内の医療法人と医療サイトをメインに芸能、スポーツ、プロレス、グルメ、マーケティングと雑多なジャンルで記事を執筆しつつ、鎌倉文学館館長・富岡幸一郎氏から文学者について話を聞く連載も手がけている。

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