アダルトサイトでも荒稼ぎした星野ロミ「ネットビジネスには3つの成功法則がある」
『漫画村の真相』より
■独自の報酬システムを設計した
まず、「①商品量と知名度の獲得」についてです。実際の店舗などだと「仕入れ」の部分になると思います。
商品も知名度もない段階なので、まずはこれが両方欲しい。当時「エログ(エロブログ)」というコンテンツが非常に流行っていました。このエログの運営者に登録してもらうことで商品と知名度の両方を得ようというわけです。
ちなみにエログは、記事内に設置してあるアフィリエイトリンクを踏んでもらうなり、そのリンク先から商品を買ってもらうなりすると、エログの運営者にアフィリエイト収入が入る、という収益構造になっています。
このエログの動画を、よそのサイトで紹介して、動画集積所のようにする競合のシステムは、すでに先行して存在していました。いくつもありますが、仮にそういう他のサイトの名前をまとめて「Xmovies」としましょう。Xmoviesでは、各エントリの記事に動画を埋め込む(「エンベット」といいます)ことで、各エログの動画だけをXmoviesで再生することができました。
ところがこの、エンベットで動画だけを再生するシステムは、当のエログにとっては旨みが少ないのです。リーチサイトのようにリンクで各エログに飛んでくるならよいのですが、Xmovies内で動画を見るという行為が完結してしまうと、ユーザーにとっては便利ですが、エログにとってこれは困る。
なぜかというと、アダルト系の広告の特徴として「動画の再生数」を基準にしているものは少ないからです。先述の通り、アフィリエイトリンクを踏んでもらうなり、そこから商品を買ってもらうなり、つまり少なくとも各エログ本体に飛んでくれないとたいした収入にならない。簡単に言うと、「Xmoviesで再生されても儲からない」ということになります。
ぼくは、まずここに狙いをつけました。
Share Videosにエンベットした動画が再生されると、その再生数に応じて、たとえば100アクセスあたり何円、みたいな感じで各エログに仕入値を支払うシステムにしたのです。
エログからすれば、Xmoviesで再生されても儲けにならないものが、Share Videosで再生されれば収益になるのなら、Share Videosのほうがいいや、となりますよね。登録はアンテナサイトのときと同様に、投稿フォームで申請すれば勝手にできるようにしてあります。
しかも、再生されれば再生されるだけ収益が上がるようにしていますから、集客力に自信がないサイトでもShare Videosで生成したリンクを拡散しさえすればいいわけです。ざっくりと「拡散されること自体を収益化した」と言ってもいいと思います。
これは他のXmoviesなどにはないシステムで、どんどん登録者が増えていきました。アダルトサイトが星の数ほどある、というレッドオーシャンだからこそ運営者が競い合って動画を提供してくれるブルーオーシャンになったのです。ただ、これは後発のサイトでも同じことができますよね。