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タリバン(アフガニスタン・イスラーム首長国)のカーリー・ディーン・ムハンマド経済大臣に単独インタビュー「アフガンは米国と中国、どちらを選ぶか?」

タリバンかはケシ栽培撲滅キャンペーンを行っている。

 

―― タリバン政権はアヘンの原料となるケシ栽培の撲滅に力を入れています。

 

 米国の統治下にあった過去20年、アフガニスタンは世界最大のケシ生産国でした。世界のケシ需要うち、95%をアフガニスタンで生産するほどだったのです。

 その結果として、500万人ものアフガニスタン人が薬物中毒に苦しんでいました。彼らは橋の下に住み着いたり、道路の端に住み着くなど、劣悪な状況で過ごすことを余儀なくされていました。しかし、現在は薬物中毒者は存在しません。薬物中毒で苦しんでいる者たちは皆、治療施設に入り、適切な治療を受けているからです。国連薬物犯罪事務所(UNODC)の報告書によれば、アフガニスタン国内のアヘンの生産量は95%も減少しています。2022年4月にアヘンの生産を禁止してから、急速な勢いでアフガニスタン国内ではアヘンの撲滅が進んでいます。これは、前政権がいかに、薬物問題について適切に対処していなかったかを物語るものです。

 

―― アフガニスタン国内の貧困の状況についてはどう考えますか?

 

 共和国政権時代は多くの人が飢えや貧困に苦しんでいました。例えば、西部の都市ヘラートでは、幼い子どもたちが貧困のために、売られるというケースが頻繁にありました。

 現首長国(タリバン)政権では、国外からの支援が受けにくくなっていることが課題として挙げられます。この3年間で、国際社会からのアフガニスタンに対する支援は大幅に減少しました。世界銀行による支援プロジェクトも現在は一時停止中です。それ以外にも、アフガニスタン国内資産も国外への移転が凍結されるなど、厳しい財務状況が続いています。そのため、アフガニスタン経済は首長国の成立以来ずっと苦境にあります。

 残念なことに、国際機関からの開発援助などは全て停止されています。しかしながら、国内でなんとか予算を工面し、アフガニスタン国内の経済開発のためにその予算内でやりくりをしています。

 農業についても、厳しい状況が続いています。私達の政権では、このわずか3年間で、ケシの栽培をほとんどゼロにまですることができました。しかしながら、こうしたケシの栽培を行っていた農家に対し、国際社会は、代替となる収入源を提示することができていません。

 数日前(取材時)、ヘルマンドを訪れた際、過去にケシを育てていた農家に話を聞きました。彼らは現在、トウモロコシや小麦、綿花などを育てていると聞きました。

 私達の政権が、ケシなど薬物の栽培を禁じている一方、国際社会は、これらの作物を栽培していた農家に対し、何ら代替となる収入源を提示できていないことが問題であると考えています。

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田代秀都

たしろ ひでと

ジャーナリスト

2001年神奈川県生まれ。大学在学中より、中東地域を精力的に取材。これまで、シリアやイラク、レバノン、アフガニスタンなどの国を取材・各種週刊誌などで発表。

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