【ゴルフ】ボールの位置を2、3個ずらして打ってみよう!
『ショートゲームには上手くなる「順番」がある』その3
「理論」に傾倒するより、遊んで“対応する力”を身につけよう!
「ショートゲームで遊ぶって、どういうこと?」と思う人もいるでしょう。ゴルフに真面目に取り組んでいる人ほど、こんな疑問を抱かれるかもしれません。ですが、遊びですから難しく考えることはありません。
たとえば「ボール位置」を変えてみる。今のボール位置を左右にズラすのです。すでにやっている方もいらっしゃるとは思います。でもアマチュアの方は、せいぜいボール1個分左右にズラす程度。2個分、3個分と大きく動かしている人はほとんどいないでしょう。
アマチュアの方の多くは、正しいやり方を身につけたいと考えています。ですから、自分にとってベストなボール位置だけを知りたがります。もちろん意味のないことではありません。基準を設けるのはいいことです。
しかし、そのボール位置は絶対ではありません。特にアプローチでは、すごく右や左に寄せないと対応できないケースがあります。コースでは平らなライがありませんから、むしろ「自分はここ」と決めたボール位置では打てないことが多いでしょう。そうなると、2~3個、あるいはもっと大幅にボール位置を変える状況には対応しきれないのです。
また、ボールの位置は真ん中のまま、「フェースを閉じてインサイド・アウトに」「開いてカットに」振ってみるのもいいでしょう。両者の打球はどう違うのか、地面に落下したボールの転がり方や距離はどうなのかを遊び半分で観察する。するとフェースを開くとボールが上がることがわかり、距離の近いバンカー越えなどに対応できるようになります。
ショートゲームはひとつのやり方だけでは対応しきれません。グリーン周りの状況やグリーンの形状など、プレーする環境や状況が毎回違うため、ひとつの型にはめて対応するには限界があるのです。しかし、今の時代は理論ばかりが先行しています。「こうやれば上手くいく」という言葉に惹かれてやってみる。でも、上手くいかない……。それもそのはず。そのやり方が通用する状況は極めて限定されるからです。
なにかをひとつ学んでも、そこから派生してくるものがないとショートゲームは上達しません。すべての状況に対応できる策を、理論に基づいて構築するのは無理。だから遊ぶべきなのです。これはゴルフにおける本質的なことですから、やれば誰もが上手くなれると思います。ただ、毎日ちょっとずつやらねばならないので、ちょっとキツいかもしれません。だからこそ、“遊び感覚”でやってほしいのです。