ホリエモンは「コミュニケーションスキル」をこう考えた
スキルがあれば資格なんていらない
「プログラムができる」というコミュニケーションスキル
いまブームのIo T(Internet of Things)、「モノのインターネット化」が農業の分野で進めば、農作業は自動化され、人は生きるために働く必要がなくなり、食料の供給が保証されることになる。これは大きなことだ。そういった面で僕はIo Tに注目している。
そんなことを僕が言うと、それが好きなことか、自分が面白いと感じているか考えもせず、儲かりそうだからとすぐにIo Tに飛びつくような人がいる。そういうフワッとした人は、結局何もできないだろう。
世の中にはアイデアはあるけど、システムを作れないという人は多い。だからと言って、企業にそのアイデアを持ち込んでも相手にされないことがほとんどだ。そんなときは本来スキルがある人を雇えばいいのだが、そのためには資金力が必要となってくる。
資金もスキルもない状態で、ビジョンだけある人は意外と多い。僕のメルマガに送られてくる質問の中でも、このジャンルが一番多かったりもする。
そういう場合は、システム開発や品種開発の経験やスキルがある人を探して「一緒にやろうぜ」と粘り強く口説くしかないだろう。
とはいえ、目立った強みがない中で、自身のやりたいことや目標達成のための投資を望むのは無謀だ。甘い話や未来を語っても、現実的でなければ誰もついてこない。
それでも、どうにかして目標を達成したいのであれば、いろいろな場所でビジョンを語り、賛同して協力してくれる人を探すしかない。
だからこそ、人間関係というのは大事になってくる。これからの時代、仕事はなくなるかもしれないが人間は生き残る。そんな時代に備えてやっておくべきことは、好きなことをすること。そして、人間関係を常にリフレッシュできるようにコミュニケーションスキルを磨くことくらいだろう。
それは、単に会話術を学べということではない。しゃべりがうまく、その場を盛り上げられるというのも、たしかにコミュニケーションスキルではあるが、なにも話ができなくたっていいのである。
本当のコミュニケーションスキルとは、自分から話しかけられるようにしゃべりがうまくなるのではなく、人が話しかけたくなるようなスキルのことだ。
手品が上手だったら話しかけられることもあるだろう。そして、その人しか持っていない知識やスキルがあれば、誰かに必要とされるはずだ。どんなことだっていい。「プログラムができる」でもいいし、「ものすごく知識がある」でもいい。「誰よりもドローンを上手に操縦できる」でもいい。
何か磨かれたスキルを持っていれば、そのスキルが自分の空白を補完してくれるのではないかと考えて、その人に惹かれる人が必ず出てくるはず。
この〝人が惹かれるスキル〞こそが、実はコミュニケーションスキルの本質だ。
そして、そのモノサシとしてみんな資格というものに走ってしまう。資格があれば、それがスキルだと思い込む。たしかに、ちょっとは話のネタになるかもしれない。しかし、資格に縛られ、資格という尺度でしかものを考えず、資格に当てはまるものを探そうとしてもうまくはいかない。多くの人が取得している資格なんてものは、スキルとしての差別化はまったくないので、相手に興味を持ってもらうことは難しいからだ。
だから、スキルがあれば資格なんていらない。重要なのは、自分が持っているスキルを必要としてくれる人がいることだ。
そして、人と会っている中で、自分のスキルを必要としてくれる人がいたら、その人とのつながりを大切にして欲しい。そうすると、気がついたときには、その人からさまざまな誘いがやってくることになる。
面白いと感じること、好きなことを追いかけて得た、多少の努力では真似できないようなスキルこそが人を惹きつけるのだ。