宇宙エレベーターが2050年に完成!?
人工衛星と地球を結ぶ架け橋への挑戦
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人工衛星と地球を結ぶ
日本の高い技術を生かして、宇宙まで届くエレベーターをつくろうという構想があります。それが「宇宙エレベーター(軌道エレベーター)」です。
赤道上の高度約3万6000㎞を周回している人工衛星は、回転速度が地球の自転と同じで、地上からは1点に静止しているように見えるため「静止衛星」と呼ばれます。
この静止衛星から、地上に向けてケーブルを垂らしたとします。ケーブルを吊り下げればその分衛星の下のほうが重くなり、やがては地球に落下してしまいます。しかし、反対側にもケーブルを伸ばしてバランスをとれば、衛星は高度を維持したまま地球を回り続けることができます。
人工衛星から徐々にケーブルを伸ばしていき、地上に届くまでになったとき、それに昇降機を取りつければ人工衛星まで届くエレベーターになります。
宇宙エレベーターには、ロケットのような墜落や爆発の危険性がなく、大気汚染などの心配もありません。問題はケーブルの強度ですが、それを解決しそうなのが日本で発見された「カーボンナノチューブ」です。カーボンナノチューブは炭素でできたナノメートル単位の筒状の素材で、髪の毛の5万分の1の細さで鉄の20倍の強さと、アルミニウムの半分の軽さをもつすばらしい素材です。
宇宙エレベーターは、大林組が建設構想を発表していて、2025年に建設を開始すれば2050年に完成するとされています。日本企業のチャレンジによって、訓練を受けた宇宙飛行士でなくても、誰もが宇宙にいける時代がくるかもしれません。