【内部告発】まるでナチスの監視「松本問題に触れてはいけない」在京テレビ局員が明かす内情
『ありがとう、松ちゃん』より
■コンプラ全盛時代に「女にだらしない」は命取り
いずれにせよ、われわれ、バラエティ畑で長いことやってきたテレビマンの共通認識としては、女にだらしないのが、松ちゃんなんですよ(笑)。「女は芸の肥やし」なんてことを芸能の世界では当たり前に言われていましたからね。コンプラ全盛のいまの時代はもちろん通用しませんが、女遊びを芸の肥やしにして、お笑い界、いや芸能界のトップにまでのぼり詰めたのが、松ちゃんなんです。今活躍するトップスターのなかにも多かれ少なかれ同じような経験をしている人もいるでしょう。
ところが、そんな女にだらしない松本さんのことをいつの頃からか、テレビが、まるで知識や徳にも優れた人物であるかのように持ち上げるようになりました。
これは、あくまで持論ですが、ビートたけしさんの老いによる凋落が影響していると考えます。当時、たけしさんは「情報番組7daysニュースキャスター」(TBS系)のMCなどを務めていましたが、SNSなどで頻繁に滑舌の悪さが指摘されるようになり、さらに2020年2月に再婚したA子さんの操り人形のように懐柔されていったのです。
結局、たけしさんは、A子さんの意向により、オフィス北野から独立し、個人事務所「T.Nゴン」を設立。実質的な経営者であるA子さんは、番組のギャラの引き上げや制作現場にもあれこれ口を出すようになり、制作サイドからすると、A子さんのことを妄信する、たけしさんは、ちょっと煙たい、扱いづらい存在になったのです。そこで、たけしさんの穴を埋めるかたちで、松本さんがお笑い以外の分野でも重宝されるようになったという印象はあります。
これまでに松本さんは、『大日本人』や『しんぼる』など、映画もいくつか撮っていますが、映画監督の実績としては、たけしさんのほうが格段上。たけしさんへのリスペクトと同時に、対抗心、コンプレックスはあったと思いますね。
松本さんの性加害疑惑について、たけしさんは「素人を呼んで3000円なんてせこいよ」「すぐに会見を開け」と一刀両断しましたが、そんな松本さんに対して、テレビ局の都合により、たけしさんの代役を押しつけた。それは、もしかすると、松本さんにとっては、不幸なことであり、悲劇のはじまりだったのかもしません。
やがて、松本さんは「M-1グランプリ」(テレビ朝日系)をはじめとした、ほぼすべての有名なお笑い賞レースの審査員を務めるようになり、「漫才の歴史は彼以前、彼以後に分かれる」という大げさなキャッチフレーズで持ち上げられ、吉本芸人たちによる闇営業問題が浮上した際には〈後輩芸人たちは不安よな。松本 動きます。〉とSNSに投稿したり。また、「ワイドナショー」(フジテレビ系)のMCも務めるようになり、芸能から時事問題について言及するなど、まさに威風堂々、〝王様〞のような立ち居振る舞いが目立つようになっていきました。