4冠達成! でもここから独立リーグの本当の夢が始まる
お笑い芸人・杉浦双亮の挑戦記〈28〉
チャンピオンシップ優勝。チームは4冠でシーズンを終えた。
■「夢」だけでは語られない独立リーグの厳しい現実
トライアウトを受けてから11ヶ月近く。
夢を抱いたたくさんの若者たちと接することができた。そこで感じたことは本当にたくさんあって、思い出せと言われると、それぞれ語りつくせないほどのシーンがどんどん浮かんでくる。
僕自身と同じように、夢を抱くことで前へ進むモチベーションにする選手がたくさんいたわけだけど、一方、独立リーグで夢を追うことがいかに大変かを知った日々でもあった。
例えば、先のチャンピオンシップもそうだ。
チャンピオンシップは、四国アイランドリーグの前期日程優勝チームと後期日程優勝チームが争い、そのシーズンの四国ナンバーワンチームを決めるもの。ただ、今シーズンは愛媛マンダリンパイレーツが前後期優勝ということで、地元開催と1勝のアドバンテージを得て、年間勝率2位の徳島インディゴソックスと対戦した。
そのチャンピオンシップ、本来であれば9月18、19日の連休で行なわれるはずだったが、2試合とも台風の影響による雨天のため流れてしまい、20、21日の平日に開催されることになった。大変だったのは、対戦相手の徳島インディゴソックスだ。僕らは(アドバンテージがあるから)愛媛で試合ができるので大きな支障はない。けれど、徳島の選手は毎朝、バスでやってくる。それも片道3時間。中止になれば、また同じ時間をかけて帰らなければいけない。それが2日続いた。
それだけではなく、試合が行なわれた20日も愛媛は台風が通り過ぎていたものの、徳島方面はまだ雨が続いており、道路の冠水などからバスの出発が大幅に遅れたらしい。高速道路は通行止めで、一般道で愛媛まで。結局、着いたのが16時半あたり。試合開始は18時だから、ほとんど練習をすることもできず一戦目を迎えることとなってしまった。
NPBでは前乗りをして宿泊するなどして対応できるだろうから、こんなことにはならないだろう。独立リーグの厳しさを象徴する数日だった。
そんな逆境のなかでも勝利を目指しプレーする徳島インディゴソックスのメンバーにも感謝をしたいと思う。