あえて在宅時を狙って、居住者を暴行…荒っぽい“トクリュウ型強盗”家を守る術を防犯専門家が解説
■開口部強化+「アラームディフェンス」で音に気づけ
ここからどのように家を守ればよいか解説してもらった。ヘーベルハウスではもともと3つのディフェンスを提唱している。
一つが「ゾーンディフェンス」。家の奥に侵入者を近づけない、来訪者が入るアクセスゾーンから奥の見通しを確保し、侵入があった際に周囲の人にも気づいてもらえる状態に保つ、というもの。ただ、これは今回のトクリュウ型強盗には効果が薄い。周囲と孤立した家が狙われており、例え周りに気づかれたとしても、指示役に脅されている闇バイトたちは逃げるという選択肢を選びにくいからだ。
もう一つは「ソフトディフェンス」。カギを全てかけ、シャッターを閉めることを習慣にする、といった基本のきである。また今回の強盗では、訪問販売等を装った下見で狙いを定めた可能性があり、インターホンや防犯カメラによる画像記録も狙らわれない効果が期待できるようだ。
3つ目の「ハードディフェンス」。これは本来、開口部を強化して時間を稼ぎ、近隣や通行者の見守りを引き出すというものだが、「今回の強盗対策ではこの“開口部強化”により壊すのに時間がかかり、壊し続ける音で自分が気づき110番通報ができる」と話す。
そして、今回のような強盗対策に新たに加えたいのが「アラームディフェンス」。「ガラス破壊や窓の開閉で大音量のアラーム音が出て、その音に自分が気づき、部屋に鍵をかけ110番通報する。開口部強化と合わせて考えたい対策です」
なお、開口部強化では防犯性能のお墨付きがついた「CP部品」を山田氏は推奨する。
「これは、所定の防犯試験で5分以上侵入を防げる、と認定された防犯性能の高い部品のことです。CP部品を使うことで時間を稼ぎ、侵入者に音を出させ続けることができます」
先ほど解説してもらったように、侵入してくるのは正面玄関からではなく、勝手口や出窓から。窓ガラスの強化やアラームの設置は必須だ。
「フィルムを貼ることで、ガラスが割れにくくなり、時間を稼ぐことができます。フィルム自体は通販やホームセンターでも買えますが、防犯性能を考えると、専門店で施工してもらって、CPマークを貼り付けてもらうのがベストです。マークがあれば、それ自体が強盗犯を遠ざける効果もあります」