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値上げしたのになぜか販売数アップ!
『ガリガリ君』(赤城乳業)の強さの秘密

「馬鹿正直」な会社は残る

◆日本最大規模のアイスクリーム生産工場に潜入! 

埼玉県本庄市にある本庄千本さくら『5S』工場は年間を通じて見学希望者を募集中。詳細は公式HPをチェック! http://www.akagi.com/factory/index.html

「本庄千本さくら『5S』工場では“3つのみせる化”をコンセプトとしています。ひとつ目は、食品の安心安全を届けるための『内部を“観せる”』。ふたつ目は、大きなガリガリ君の看板やヤシの木で出迎えるという『外部を“見せる”』。そして3つ目は、見学に訪れた人々をさまざまな工夫で楽しませる『赤城乳業を“魅せる”』です」(前出・岡本氏)

同工場の最大生産量は年間約80,000klで、この数字は日本のアイスクリーム生産量の約10%に相当。アイスクリームミックスを冷やすタンク(=写真)1本には約8000lが入り、この原材料をもとにガリガリ君が約10万本作られる。

 “みせる”上で、同社がこだわったのは工場名にも冠した『5S』だ。5Sとは、製造業などで掲げられる「整理・整頓・清掃・清潔・躾」という5つの環境スローガンのこと。赤城乳業はこの『5S』を強く意識し、現会長を委員長に据えた『5S』委員会を設置。製薬会社レベルの衛生管理をはじめ、品質管理や環境対策として、最新の設備やシステムを導入している。

 衛生管理の最たる例は、工場内の排水システムだろう。アイスクリーム工場はつねに水を流し続けているため、床が水浸しになっているのが一般的だという。しかし『5S』工場では作業台の下に排水溝を設け、床が濡れないように工夫されているのだ。

「床が水浸しだったら、『こんな環境で食品をつくって大丈夫なのか?』と思われるかもしれません。事実、床の水は菌が繁殖する原因にもなりますからね。しかし『5S』工場は床がドライに保たれているので、社員は長靴ではなく布製の靴で仕事しています」(岡本氏)

工場内の床は『ガリガリ君ソーダ味』のカラーである「ガリガリブルー」(同社の通称)に統一。ちなみに「ソーダ味=水色」を定着させたのは赤城乳業で、子どもが外で元気に遊ぶイメージから「空」と「海」の色を由来としている。

 アイスクリーム工場において、布製の靴を履いての作業は極めて異例だという。同業者からも驚かれるそうで、その反応こそが『5S』工場の衛生管理レベルの高さを物語っている。

 年間で約1万8000人の見学者が訪れるという同工場。衛生管理の行き届いた『5S』工場、さらに5S教育の行き届いた社員をも“みせる”。こうした取り組みが、消費者の信頼を得ているのだ。

 

 

 

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