国民民主党・玉木雄一郎だけではない。危機管理ができない連中の化けの皮がはがれてきた【適菜収】 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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国民民主党・玉木雄一郎だけではない。危機管理ができない連中の化けの皮がはがれてきた【適菜収】

【隔週連載】だから何度も言ったのに 第75回


玉木雄一郎、松本人志、三浦瑠麗……。ドツボにはまった連中にとって、コンプライアンスとは何を意味するのか? 瑠麗曰く「細かな事実に関しても、人間は記憶が修正されがちです」。もはや自虐ネタしか残されていないのか。近代大衆社会の末期症状を描き出してきた適菜収氏の「だから何度も言ったのに」第75回。人気の長期連載が大幅加筆修正され、単行本『日本崩壊  百の兆候』として書籍化され話題に!


「元グラドルとの不倫」スキャンダルの釈明会見を開いた玉木雄一郎(2024年11月12日)

 

■やる気、元気、タマキン!

 

 私は当初、石破茂が自民党総裁に選ばれるとは思っていなかった。日米地位協定の改定に言及し、自民党のいかがわしい改憲案を批判してきた石破には、敵が多すぎるだろうと。それならば、アメリカにとっては使いやすい裏に菅義偉がいる小泉進次郎になるのではないかと。

 実際、総裁就任後、石破は身動きが取れなくなっているようにも見える。総裁選で言っていたことも、撤回したのか撤回させられたのか、手の平返しの数々。

 健康保険証を廃止してマイナンバーカードに一本化する時期を見直す可能性について「あるだろう」と発言していたが、「法に定められたスケジュールで進めていく」と転換。「選択的夫婦別姓制度」の導入については、「やらない理由がわからない」から「必要な検討を行っていきたい」にトーンダウンした。

    *

 では石破が言及することが多い憲法と防衛問題についてはどうか。

 石破は著書『保守政治家 わが政策、わが天命』で、戦力不保持をうたった9条2項を削除した上で、現在の自衛隊を「国防軍」に改め憲法に明記すべきと述べている。

一方、党内(特に安倍晋三周辺一味)は、9条1項(戦争放棄)、2項(戦力の不保持と交戦権の否認)を残しながら、3項を新たに設け、自衛隊の存在を明記すると支離滅裂なことを言ってきた。戦力の不保持をうたった後に戦力の保持を書き込む。整合性のカケラもない。アホにも限度があるが、これでは憲法は確実に空洞化する。

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 自民党は総選挙で大敗。「改憲勢力」の議席数は衆院の3分の2の議席を下回った。しかも、総選挙の結果を受けた委員長人事で、枝野幸男が憲法審査会長になった。石破がこの流れを想定していたとは思えないが、結果的に日本は破局を逃れることができた。自民党内のカルト勢力や裏金議員の力も少しずつ落ちてきた。

    *

 石破が早急にやらなければならないのは、「自民党内のいかれた勢力による改憲」の阻止と、国会における憲法論議である。

石破茂

    *

 改憲勢力と言えば、怪しい動きを見せてきた国民民主党の玉木雄一郎。元グラドルとの不倫が発覚し、「タマキのタマキンが暴走」と騒ぎになった。「政党の品質保証」という過去のブログ記事も、味わい深い。以下、引用する。

    *

「政党とは何か。」

同じ政治理念、政策を共有する集団ということでしょうが、私は、それ以前に、一定のクオリティ(品質)を満たした人の集団であるべきだと思います。

これは、弁護士や会計士などのように一定の資格試験をクリアーすることを条件にするというよりも、

「絶対に、不正をしない。」

「絶対に、不倫をしない。」

などというように、そもそも政治家として有権者信頼に耐えうる集団であることを、自信をもって約束できる集団であるべきだと思います。

    *

 素晴らしい。存在そのものがコント。

    *

 総裁選の結果を受け、統一教会系の「世界日報」は、「玉木氏は若者を一層覚醒させよ」などと書いていた。「国民民主党は20~30代の得票率トップを獲得。政治リテラシー・国民の政治参加の意欲向上に寄与できるか注目だ」とのこと。今回の件でうっかり投票してしまった若者も少しは覚醒すると思う。

次のページ飛んで火に入る三浦瑠麗

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適菜 収

てきな おさむ

1975年山梨県生まれ。作家。ニーチェの代表作『アンチクリスト』を現代語にした『キリスト教は邪教です!』、『ゲーテの警告 日本を滅ぼす「B層」の正体』、『ニーチェの警鐘 日本を蝕む「B層」の害毒』、『ミシマの警告 保守を偽装するB層の害毒』、『小林秀雄の警告 近代はなぜ暴走したのか?」(以上、講談社+α新書)、呉智英との共著『愚民文明の暴走』(講談社)、中野剛志との共著『思想の免疫力 賢者はいかにして危機を乗り越えたか』、『遅読術』、『安倍でもわかる政治思想入門』、『日本をダメにした新B層の研究』(KKベストセラーズ)、『ニッポンを蝕む全体主義』『安倍晋三の正体』(祥伝社新書)など著書50冊以上。「適菜収のメールマガジン」も好評。https://foomii.com/00171

 

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