孤立無援でいじめられている人を黙って見過ごすことは絶対したくない。それが僕のポリシー【高須克弥】 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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孤立無援でいじめられている人を黙って見過ごすことは絶対したくない。それが僕のポリシー【高須克弥】

『ありがとう、松ちゃん』より

▲高須克弥氏 写真:編集部

今月8日、松本人志が週刊文春に対する名誉毀損訴訟を取り下げ、約10カ月に及んだ法的争いに一区切りがついた。以前、高須クリニック委員長の高須克弥氏は、今回の裁判の行方に関わらず「社会的な弱者いじめ」を問題視することが重要だと訴えていた。義を見てせざるは勇なきなり――。「ありがとう、松ちゃん」応援委員会の委員長でもある高須氏の熱い思いを、『ありがとう、松ちゃん』(KKベストセラーズ)の寄稿からお届けする。


■松ちゃんとはデビューの頃からの付き合い

 ダウンタウンのふたりとは、実は縁が深いんですよ。デビューの頃からの付き合いだからね。

 僕、元々ね、名古屋で開業してたけど。本当のデビューは大阪なんです。僕を最初に見つけてくれたのが読売テレビ。それで『11PM』と『2時のワイドショー』にレギュラーで出てたんです。テレビに都合よく喋ってくれる、便利な医者という立ち位置ですね。だから、松ちゃんよりずっとテレビデビューは早いんですよ(笑)。

 彼の先輩の芸人さんたちに親友が多くて、(桂)ざこばとかね、(横山)ノックさん、上岡龍太郎さんなんかは、みんな遊び仲間ですから。それで、松ちゃんは僕が(進行役として)大阪で持ってた『みんなでみんなでリクエストバンザイ! 歌謡曲』っていうラジオ大阪の番組でゲストに呼んだのが最初だと思うんだ。

 ダウンタウンっていう新しくて面白い漫才師が出てきたからって。面白い兄ちゃんたちだなと思ったの、覚えてるな。その後、名古屋のCBCテレビで、僕の相手役で当時オナッターズの小川菜摘さんがいたんですよ。あんまりキレイな子じゃなかったけど(笑)、浜ちゃんの奥さんだね。

 最近で、割と生々しい話だと『ダウンタウンなう』の「本音でハシゴ酒」ってコーナーにゲストで呼んでくれたとき、視聴率で苦戦してるからスポンサーになってくれませんかって言うんでね。その場で「いいよ」ってポンと話を決めたんです。その翌週から新しいクールが始まるところだったんで、そのまま最終回までスポンサーやりましたよ。松ちゃん、感激してましたね。こんな感じでスポンサー決まるんや、初めて見たわって(笑)。

▲ダウンタウン冠番組のスポンサーとなったことも 写真:産経ビジュアル

『ダウンタウンDX』とか『ワイドナショー』もスポンサーでしたけど、松ちゃんがいなくなったんで辞めたんです。だから、結構会ってるし、松ちゃんの個人的な相談に乗ったりもしました。

 そうだ、松ちゃんの後輩でスタンダップ漫談やってるウーマンラッシュアワーの村本(大輔)。アレ、スゴく生意気なやつだから、いじめていたときに取り成しに来ましたよ、松ちゃん。後輩芸人のためにも骨を折るいい先輩なんだなと思いましたよ。でも僕、許してやらなかったけど(笑)。あの時は中田カウスとか何人か来ましたよ、吉本の人。でも人数来られるとな、あんまり心動かないんですよ。誰かひとりが命を懸けて来るなら話聞くけど。カウスの後に松ちゃん来たからなあ。許さなかったですね。

■弱ってる人の味方をするのが僕のポリシー

 今回の話は、松ちゃんの芸人としての生命を絶たれそうな事件ですから、頼まれなくても弱ってる人を助けるのが僕のポリシーです。今回ね、ポリコレの力はたいしたことないと思うんですよ。マスコミの主流側の人たちが触りたくないんでしょうね。

 何が出てこようが、僕は松ちゃん個人のファンなんだから、守るんだっていう姿勢ですよ。それを持ってる人がマスコミにはいない。みんなね、自分の企業を守りたいんですよ。自分の名声も守りたい、経済的負担もできるだけ避けたい。守るものが多いんですよ。

 マスコミっていうのはね、そういうもんなんですよ、元々。ピラニアみたいなもんでね、攻撃してちょっと弱ったなと思ったら、一斉に寄って集ってピチャピチャピチャって襲いかかってくるんです。最初の攻撃がうまくいくと、その後にいっぱい来る。その最初の攻撃を跳ね返すと、一斉に散っちゃうんですよ。僕も昔、今の松ちゃんと同じ状況だったから、よく分かるんです。

 40年前ですね。僕は40歳。週刊文春で僕のドクタービジネスってことで叩かれた、あることないこと、それはもう。でもね、当時の僕は週刊誌を割りとバカにしてたんですよ。文春以外の週刊誌は、全部味方だったしね。ところが、僕の記事で雑誌が売れた。毎週やられるんですよ。味をしめて文藝春秋でも特集をやられた。僕は、負けないぞって対抗してたんですけど、国税が記事を資料に踏み込んできて、僕は前科一犯になっちゃったんですよね。

 自分で気づいてなかったことも色々出てきたから、捕まった途端に僕の味方だった出版社もテレビ局も一斉に引いちゃった。広告出して創刊当初から面倒見てた週刊誌とかも全部味方してくれないんですから。それで懲りちゃって。

 こういうことが二度とないように、鉄壁の守りを固めたんです。ウチの当時の税理士、全部入れ替えて、僕を捜査した国税局査察部のマルサ連中をヘッドハンティングしたんです。当時、高須クリニックに入った税理士、まだ3人残ってますよ(笑)。抑止力になってますよ。僕は面倒見るって言ったら最後まで見るんで、彼らももう80歳、90歳ですけど面倒見てます。

 あの時は、油断してたんだよな。週刊文春ごときに火つけられてヤラれたから。今だったら、あんなことヤラせませんけどね。あんなのやるってことが分かってればね、いくらでも潰す手はあったんですよ。

 記者ってね、ネタ持ってていろんなところに売り歩くんですよ。だから文春の場合もフリー記者がたくさん動いてる。そんなさ、安い金で売ってんでしょ、きっと5万とか10万とかさ。そんないい値段じゃないの。だから、いいネタだったら、僕が買ってあげますって。ガセネタでも面白けりゃ買いますよ。結構売り込んでくるんですよ、ほとんどガセネタなんだけどね。突き詰めていくとみんな逃げちゃうしさ。

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高須 克弥

たかす かつや

美容外科医、僧侶、篤志家。1945年愛知県生まれ。医学博士(昭和大学、1973年)。美容外科「高須クリニック」院長。東海高校、昭和大学医学部卒業。同大学院医学研究科博士課程修了。昭和大学医学部客員教授。医療法人社団福祉会高須病院理事長。「YES高須クリニック」のコピーをはじめとして、日本で最も広く知られる美容整形外科ドクター。江戸時代から続く医師の家系に生まれ、大学院在学中から海外へ研修に行き、最新の美容外科技術を学ぶ。「脂肪吸引手術」を日本に紹介し普及させた。人脈は芸能界、財界、政界と幅広い。金色有功章、紺綬褒章を受章。『全身美容外科医』(講談社)、『炎上上等』『大炎上』『その健康法では「早死に」するこれが高須式「若返る」食べ方・生き方』(扶桑社)、『自民崩壊2・8』(徳間書房)、『筋と義理を通せば人生は上手くいく』(宝島社)など著書多数。

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