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女優で歌手の中山美穂さんが自宅で死亡。80年代1、2を争うアイドルシンガーとして活躍した軌跡


1995年に主演した映画『Love Letter』が興行大ヒット。近年は女優として大活躍し続けていた中山美穂さん。80年代は1、2を争うアイドルシンガーとして大人気だった。当時の曲とともに歌手・中山美穂の軌跡を追う。


80年代、アイドルシンガーだったときの中山美穂さん

  

◆無口で人見知り…なのに歌は可愛かった

 

 中山美穂の妹・忍がデビューしたとき、ある雑誌の編集部で若手の記者が「無口で取材しづらい」とこぼしていた。しかし、ベテランの記者いわく「お姉ちゃんはもっとしゃべらなかったよ」。実際、デビュー当時の美穂に泣かされた(?)ことのある身としては、得心させられたし、ドラマ『毎度おさわがせします』であれだけの芝居を見せた子が、じつは無口で人見知りというのは、新鮮なギャップとして今も印象的だ。

 そんな性格は生育環境によるところが大なのだろう。幼い頃に両親が離婚し、働く母の代わりに妹たちの面倒を見たりしなくてはならず……。世に出たとき、まだ14歳とは思えない大人びた色気をすでに感じさせたのも、人生経験の賜物と言えるかもしれない。

 そういえば、レコード大賞の最優秀新人賞を受賞した翌日(すなわち、デビュー翌年の元日)受賞者が一堂に会する番組があり、新人賞の5人(いずれも女性)が父親と組んでゲームを行った。美穂だけは、五木ひろしが代役を務め、他の4人との対比がちょっと残酷で、そのぶん愛しくも思えたものだ。

 そう、男には多かれ少なかれ「不幸萌え」というものがあり、それが彼女の芸能活動にはプラスに働くことになる。小泉今日子や内田有紀といった、同じく離婚家庭で育った娘が所属するバーニングプロが、事務所ごと傘下に取り込む形で彼女を引き抜き、全面的に後押しするようになったということも伝えられていて、これにより、そのポジションはますます磐石となった。

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