トランプが警戒する<br />中国の習近平とは何者か?<br />米国主導の国際秩序に宣戦布告 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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トランプが警戒する
中国の習近平とは何者か?
米国主導の国際秩序に宣戦布告

『赤い帝国・中国が滅びる日』発売記念、緊急集中連載。中国専門ジャーナリスト福島香織が中国最新事情を分析・提言!

 私個人の印象としては、今までの習近平の内政、外交における言動、その生い立ちや周辺からの人物評を総合すると、小心で用心深く周囲の人間に対する信頼感が薄く、自分の地位を安定させるための強い権力を求めつづけて満足しない独裁志向の極めて強い人物というふうに映る。

 その独裁の目的は中国の発展や人民の幸福というところにはなく、自分を核心とする共産党体制を守る、自分の権力地位を守る、という一点にある。その視野は内政、権力闘争にかなり偏っており、外交や経済は二の次のようにも見える。比較的現実認識能力にたけた官僚肌の胡錦濤[一九四二~/中華人民共和国第六代国家主席。共青団(中国共産主義青年団)派]と比較すると、自分の能力を過大に評価しがちで、現状を自分の都合のよいように分析しがちなところがあるようにも見える。

 彼の周りには、優秀なブレーンはいるが、その言動を諫めたり助言したりするような対等の関係ではなく、あくまで皇帝と臣下の関係を求めるので、いったん暴走すると止める者がいない。

著者略歴

福島香織(ふくしま・かおり)

1967年、奈良県生まれ。大阪大学文学部卒業後、産経新聞社大阪本社に入社。1998年上海・復旦大学に1年間語学留学。2001年に香港支局長、2002年春より2008年秋まで中国総局特派員として北京に駐在。2009年11月末に退社後、フリー記者として取材、執筆を開始する。テーマは「中国という国の内幕の解剖」。社会、文化、政治、経済など多角的な取材を通じて〝近くて遠い国の大国〟との付き合い方を考える。日経ビジネスオンラインで中国新聞趣聞~チャイナ・ゴシップス、月刊「Hanada」誌上で「現代中国残酷物語」を連載している。TBSラジオ「荒川強啓 デイ・キャッチ!」水曜ニュースクリップにレギュラー出演中。著書に『潜入ルポ!中国の女』、『中国「反日デモ」の深層』、『現代中国悪女列伝』、『本当は日本が大好きな中国人』、『権力闘争がわかれば中国がわかる』など。共著も多数。

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