安倍昭恵さんと一緒に振り返りたい「主人の言葉」【適菜収】
【隔週連載】だから何度も言ったのに 第81回
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「主の大御神様、救い主様、聖珠様、教え主様、立教五十周年大祭がこうして盛大に開催されましたことを心からお喜び申し上げる次第でございます」
安倍はカルト体質。手かざし宗教の崇教眞光の教団本部で行われた大祭で祝辞を述べた。「お告げ、悪霊祓い、手かざし」を行う「慧光塾」とも深い関係にあった。
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「ポツダム宣言というのは、米国が原子爆弾を二発も落として日本に大変な惨状を与えた後、『どうだ』とばかり(に)たたきつけたものだ」
ポツダム宣言は7月26日、原爆投下は8月6日と9日である。義務教育レベルの常識。これは単なる言い間違えではない。アメリカが日本に原爆を落とした経緯を理解していれば、このような発言が出てくるわけもない。
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「憲法上は原子爆弾だって問題ではないですからね、憲法上は。小型であればですね」
とりあえず、大きさは関係ない。
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「天皇皇后両陛下には、末永くお健やかであられますことを願って……あらされますことを願っていません」
御代替わりを前に執り行われた「退位礼正殿の儀」での発言。「願って已みません」を誤読したのではないかとの指摘が広がったが、該当部分は「『や』みません」とひらがなだったと官邸は説明。だから誤読ではない。本音が出たのだろう。
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安倍は行政府、立法府の掌握を進め、司法府にまで手を伸ばそうとしていた。
「私は総理大臣としてありえないとこう言っているんですから。間違いありませんよ」
「私は総理大臣ですから、森羅万象すべて担当しておりますので」
神にでもなったつもりだったのだろう。幼児的万能感にあふれた妄想と現実の区別もつかないこのホラ吹きは、見事に日本を下品のどん底に突き落とした。なお、ここで紹介したのは安倍がついた嘘、流したデマのごく一部である。詳しく知りたい方は、拙著『安倍晋三の正体』(祥伝社新書)を読んでほしい。
文:適菜収