ドゥテルテ大統領vs習近平主席
南シナ海問題棚上げの真相と
中国の軍事挑発の可能性
中国専門ジャーナリスト福島香織が語る「チャイナリスク2017 衝撃の真実」
中国は本当に戦争する気があるのか
中国は口では「平和の庇護者」を名乗り「平和的話し合いで争議を解決」というものの、これは棍棒(こんぼう)を片手にした話し合いだ。
ハーグの国際仲裁裁判所で判決が出る前日まで南シナ海で北海・東海・南海の三艦隊合同の大規模実弾演習を行い、そのビデオ映像をネットやテレビで繰り返し流すなどして、国内で「戦意高揚」プロパガンダを展開している。
解放軍は退役軍人・民兵に対し戦争に備えて元の部隊に戻って海軍演習に参加するよう通達を出しており、中国側は着々と臨戦態勢を整えはじめている。
こういう中国の「戦争やる気モード」を前にして、米国もフィリピンも、そして国際社会も戦争を回避せねば、と考える。そういう雰囲気の中で中国が多少、柔和な態度で話し合いを切り出せば、中国の思惑どおりの運びで話し合いは進むだろう。
当面の南シナ海での軍事的衝突、軍事的緊張をうまく回避できたという点で、ひょっとするとほっと胸をなでおろす人もいるかもしれないが、これは中国の南シナ海軍事拠点化を阻止することにはならず、これはより大きな危機の始まりともいえるのだ。早ければ年内にも、南シナ海の島々に解放軍のレーダーやミサイルが配備され、南シナ海の中国軍事拠点化が完成する。
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