仮想通貨詐欺師と億万長者が交錯!「ダボス会議」にうごめいていた怪しき資本家たちの素性と武器【林直人】
異能の起業家・林直人 「ダボス会議」裏側潜入記 #05

スイスのダボスで毎年1月に行われる「ダボス会議」。その名前は教科書にも載っているぐらい有名だ。しかし、そこに“オモテ”と“ウラ”があることは知られていない。異能の起業家・林直人氏がダボスからの現地潜入レポート!全10回を集中連載する。第5回では、ダボス会議に姿を見せた、怪しき資本家たちについて触れる。
■資本家が政治を動かす時代
ダボス会議の舞台裏には、世界の資本主義を煮染めたような光景が広がっている。ブースには各国の大臣たちが集い、金融や経済の未来を語るが、その背後には名もなき資本家たちの影が常にちらつく。南アフリカの非制限エリアブースでは、金融大臣をはじめとする政府要人たちが次々と現れた。しかし、群衆の中で一際異彩を放っていたのは、70歳を超えた謎の男だった。彼はダボス公式のバッチも付けておらず何の役職にも就いていないように見えたが、若い大臣たちの頬を撫で、従わせるその様子は明らかにただ者ではなかった。
そこに現代資本主義の真実——政治や政治家を操っているのは資本家である——を見た気がした。

イーロン・マスクがわかりやすい。彼は巨万の富を背景に、政策決定にも影響を与える存在となっている。このような流れは、今後アメリカ以外でも強くなっていくはずだ。各国の政治構造は変化の渦中にあり、資本による支配はますます強固になりつつあるのだ。この現実を前にして、世界は何を選択すべきなのか。ダボス会議はその問いを私たちに突きつけている。
かつてはテレビや新聞などの大手メディアが世論を支配していたが、今やSNS広告やインフルエンサーの買収ができれば、簡単に世論が動かせるようになった。つまりお金だ。お金さえあれば、ゼロスタートの政治家であっても勝利は可能だ。
会議場には、未来を動かそうとする仮想通貨関連企業やAIのブースもあった。とくに目立ったのは仮想通貨の存在だ。
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