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AIの激震は「ダボス会議」にも!グローバルエリートたちが恐れる“未知の存在”の正体【林直人】

異能の起業家・林直人 「ダボス会議」裏側潜入記 #06

▲中国発生成AI「DeepSeek」

スイスのダボスで毎年1月に行われる「ダボス会議」。その名前は教科書にも載っているぐらい有名だ。しかし、そこに“オモテ”と“ウラ”があることは知られていない。異能の起業家・林直人氏がダボスからの現地潜入レポート!全10回を集中連載する。第6回では、国家間のAI覇権争いについて触れる。


■会議に現れた米AI起業家の暴露

 突如やってきた“未知の存在”として、まるで宇宙人が地球を訪れたような衝撃を与えたAI。ダボス会議でも、「AIと人類の共存をいかに図るか」が大きな議題になった。各国は自らの技術基盤に沿ったシステムをどう取り入れるか模索している。

 アメリカが誇るAWSやChatGPTが世界中にユーザーを獲得する一方、中国のアリババ製の技術に対する警戒心は拭えない。AI関連の開発者の中では、セキュリティ面での安心感はアメリカ製が一歩リードしているという認識だ。

 しかし、中国も負けていない。中国のDeep Seekは低価格かつ高性能の言語モデルをリリース、ChatGPTを猛追している。会議の舞台裏で最も衝撃的だったのは、Scale AIのCEO・Alexandr Wangの暴露だ。彼によれば「中国のDeep Seekは約5万個ものNVIDIAのH100チップを所有している」という。

▲Scale AIのCEO・Alexandr WangはDeepseekの裏側についてダボスのセッションで縦横無尽に語り尽くしている

 生成AIやディープラーニングの技術は、想像をはるかに上回るスピードで発展を遂げ、OpenAIが目指すAGI(汎用人工知能)の未来はそう遠くない。しかし、その制御はまだ手探り状態だ。

 AIの発展は、もはや単なる技術革新の問題ではなく、国家間の覇権争いの核心となっている。そこには莫大な富と権力が集中し、従来のグローバル秩序を根本から変えようとしている。前回触れた仮想通貨と同様に、デジタル技術による富の集中と分配が世界の勢力図を塗り替えつつある。こうした技術革命の波が押し寄せる中、ダボスでは別の形の「反グローバリズム」も表面化していた。

 ダボス会議にリモート参加したトランプ大統領はこう言い放った。

「アメリカで生産するか、アメリカに関税を払うか、選べ」

 グローバルエリートたちが集い、世界の秩序を形作ってきたこの場所に、トランプの言葉は冷ややかな空気をもたらした。世界が新たな秩序を模索する中で、ダボス会議は依然としてその中心に位置している。グローバル化とナショナリズム、資本と労働、希望と格差――これらが渦巻く現場に、トランプの挑発が一石を投じた。ダボスは果たして、これからの未来をどう導いていくのだろうか。その答えは、まだ誰にもわからない。


p.s.ダボス会議の裏側(非制限エリア)でダボス会議の期間中1週間1億円でレストラン・会議室・ブースを含めた施設を目抜き通りで貸してくださるという物件オーナーを知っています。

日本人を代表してダボス会議にブースを出したいという方はyourmanifestojp@gmail.com
までご連絡ください。

(ダボス会議・世界経済フォーラムの正式メンバーでない企業の方は、ダボス会議・世界経済フォーラムの公式の支援・ブランディングは受けられないそうですが、とりあえずオーナーさんとのzoomミーティングを設定することは可能です)


文:林直人

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林直人

はやし なおと

起業家

1991 年宮城県生まれ。仙台第二高等学校時代にうつ病を患いながらも、独学で慶応義塾大学環境情報学部に入学。在学中に勉強アプリをつくり起業するも大失敗する。その後、毎日10 分指導するネット家庭教師「毎日学習会」(https://everydayprep.jp/)を設立し、現在に至る。毎年100 人以上の生徒を指導し、早稲田・慶応・上智を中心に合格者を多数輩出している。著書に『小論文はセンスじゃない! 』(エール出版)などがある。

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