大阪・関西万博はすでに失敗している。即時中止を勧告する!【適菜収】
【隔週連載】だから何度も言ったのに 第83回
今更中止することができないというなら、先の大戦と同じだ。世の中にはやっていいことと悪いことがある。大阪で開催される〝悪の祭典〟を阻止できるのは、政治家やメディアを含め、われわれ日本人だけなのだ。目の前で何が発生しているのかを直視しなければならない。新刊『「保守思想」大全――名著に学ぶ本質』(祥伝社)で、過去の賢人が語った保守思想の本質をまとめた適菜収氏の「だから何度も言ったのに」第83回。
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■「行きたいとは思わない」が74.8%
一から十まですべてデタラメな大阪・関西万博の即時中止を勧告する。「もう直前なのだから今更止めることはできない」「投資したカネが回収できなくなる」「参加国もあるのだから、今中止したら世界に恥をかく」「やってみたら、よかったとなることもある」……。先の大戦と同じだ。開戦すれば失敗するというデータはあったものの、都合のいいデータだけを選別して利用する連中、大声を出す連中により、日本は取り返しのつかない状況に陥っていった。
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時代が変わり、今回の万博の場合は、一般人にもその危険性がわかるようになってきた。直近の共同通信の世論調査では、大阪・関西万博に「行きたいとは思わない」が74.8%で、「行きたいと思う」の24.6%を上回っている。
当たり前だ。会場は危険極まりない。メタンガスが爆発する危険もあるし、自然災害に弱い会場にもかかわらず、防災対策や避難計画は不十分。専門家によると、たばこをこっそり吸った来場者が吸い殻を排水溝に捨てたりすれば、引火して爆発しても不思議ではないとのこと。こんな危険な場所に、遠足や修学旅行などで児童を集めるのは狂気の沙汰である。
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「しんぶん赤旗」によると、前回の爆発事故が起きた夢洲1区は現役の廃棄物処分場で、2024年度は83本のガス抜き管からだけでも約1・5トン~2トンのメタンガスが発生しているとのこと。団体バス乗降場から西ゲートに向かう児童・生徒の歩行ルート付近のガス抜き管からは爆発濃度に達するメタンガスが出ている。
会場は開幕前に崩壊。万博のシンボル大屋根リングの海に面した土台は、広い範囲で盛り土が崩れ落ち、柱のすぐ下の土台も崩れ落ちている。
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物理的な危険だけではない。これから企業が買った大量の「タダ券」が出回ってくるとの報道もあるが、タダほど怖いものはない。
電子チケットの購入には、万博公式HPで「万博ID」を登録しなければならない。その際、個人情報が抜き取られる。氏名、性別、年齢、住所、パスポート番号、顔画像、指紋などの生体情報、所属企業・団体名、部署、役職、SNSのアカウントやパスワードに関する情報、子どもの有無、趣味嗜好の記入欄もある。全部を埋める必要はないのかもしれないが、それが政府や地方自治体、協賛企業、外国政府に「提供する場合がある」とのこと。これはなにかの罠か。
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