今年の本屋大賞は阿部暁子さんの『カフネ』に決定!「現代社会の闇をえぐる」書店員推薦

今日9日、2025年の本屋大賞が発表され、阿部暁子さんの『カフネ』(講談社)が栄えある大賞に輝いた。
物語の主人公は、法務局職員・野宮薫子。弟の突然の死後、遺言に従って弟の元恋人・小野寺せつなと出会う。離婚で傷ついた薫子は、せつなが働く家事代行サービス「カフネ」でアルバイトを始めることに。最初は互いに距離を置いていた二人だが、薫子の掃除とせつなの料理を武器に様々な家庭を訪れるうち、その関係性は徐々に変化していく。「食べることは生きること」をテーマに、日常の家事が人々の心を癒し、自身も成長していく姿が描かれる。
作品は介護問題や貧困など現代の社会課題も背景に織り込んでおり、ある現役書店員は「現代社会の闇をえぐる1冊」と評している。
本屋大賞の選考には全国488書店から652人もの書店員が一次投票に参加。二次投票では336書店、441人の書店員がノミネート作品を全て読んだ上で投票を行い、満を持しての受賞となった。
文:BEST T!MES編集部