南シナ海、東シナ海、尖閣諸島…
「習近平の戦争」に日本が
巻き込まれる可能性とは
中国専門ジャーナリスト福島香織が語る「チャイナリスク2017 衝撃の真実」
すぐそこにある戦争リスク
習近平政権は日本にとって非常に危険な政権である。日本は油断している
と、「習近平の戦争」に巻き込まれかねない。
南シナ海、東シナ海にある戦争リスクは、もちろんキューバ危機には程遠いレベルだが、このリスクの卵がいずれ、習近平政権にも米国の次なる政権にもコントロールできないほど大きくなる可能性は十分に警戒しないといけない。そして、日本も東シナ海リスクに関しては当事者である意識を持たねばならないし、東シナ海と南シナ海がリンクしていることを考えれば南シナ海危機も他人事にしてはならない。
思い出すのは二〇〇一年四月一日に、南シナ海上空で起きた米中軍用機の衝突事件だ。中国側パイロットは海上に墜落し行方不明、米海軍の電子偵察機EP‐3Eは搭乗員ともども海南島に不時着し、解放軍により機体は徹底的に調べられたため、米軍の偵察システムは変更を余儀なくされた。衝突の原因は、解放軍パイロットの挑発行為。このときは中国側パイロットが行方不明になったこと、根っこが親米である江沢民政権であることなどから、なんとか自制が利いたが、同じことがいま起きたら?