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リスクを乗り越え、大ヒットとなった『モンハン4』

『モンスターハンター』シリーズの開発者に訊く!

 面白い要素はすべて入れよう。やると決めたことは全部やろう。辻本氏のそうした強い思いから制作に着手したのが、『モンスターハンター4』だった。

『モンスターハンター4』では、新しい武器やモンスターのほかに、「立体的アクション」「発掘装備」「オトモアイルー」「狩猟生活」といった新しいシステムも話題になった。

辻本P まあ、その結果が逆に発売を延期する形になってしまって、本当に申し訳ないです。

 無理矢理にでも納期を間に合わせることはできたかもしれない。しかし、ただ実装しただけでは『2』と同じでユーザーへ伝わらない物になってしまう。削る選択をしたら『3』と同じでユーザーの満足度に不満が残る。そこで下した決断が「発売日を2013年3月から2013年夏(予定)に変更」という約半年の延期だった。

藤本D 発売延期のリスクですか? それは大きかったです。延期した期間の分だけお金も掛かりますし、現場のモチベーションを維持するのも大変でした。でも、やっぱり最後に優先したかったのはユーザーの満足度です。中途半端なゲームを作ったら、ユーザーも「遊びたいけど、遊ぶかどうか迷う」となってしまう。そんな選択肢をユーザーに委ねるのはダメだと思ったんです。

 発売延期に伴うリスクを乗り越え、『モンスターハンター4』は出荷本数400万本越えを記録する大ヒット作となった。「多くのユーザーが手に取ってくれたのがひとつの答えだと思う」とは藤岡氏の弁である。
 もちろん、すべてのケースにおいて「納期よりもクオリティを優先」が正解とは限らない。しかし『モンハン』シリーズにおいて言えば、『2』と『3』の経験を踏まえた『4』の発売延期は最善手だった。そして重圧や苦悩について笑顔で話す、そんな2人の態度が現場の士気を再び高め、ヒット作誕生に影響したことも想像に難しくない。

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