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習近平政権の経済ブレーンは誰か?
ハーバード出身の国際派・劉鶴
とは何者なのか?

中国専門ジャーナリスト福島香織が語る「チャイナリスク2017 衝撃の真実」

習近平政権の経済ブレーンは誰なのか

 この「権威人士」は誰なのかというと、習近平主席の経済ブレーンである劉鶴・中央財経指導小組弁公室主任というのが定説である。人民日報に掲載された「権威人士」のインタビュー記事は2015年5月25日の「権威人士がわが国の経済情勢を分析」、2016年1月4日付「供給サイドの構造改革が新常態をけん引」に続いてこの5月9日付記事が3回目だが、内容を見るに同一人物とされ、しかも党序列2位の李克強の記事よりも扱いが良い点などから、李克強より序列上位の習近平に属する人間ということになる。とすると習近平の経済ブレン、劉鶴しかいない。

 ウォールストリートジャーナル(7月22日付)によれば、習近平は中国で1月から3月までに4兆6000億元(約6970億ドル)もの銀行融資が行われたことに当惑し、債務削減と生産過剰を抑えるという「サプライサイドの構造計画」というシーノミクスの柱が阻害されると考え、李克強をけん制する目的で、この記事を掲載させたという。

 たしかに、経済成長の目標数値を負わされ、経済失策の責任を負わされそうになっている李克強は、とにかく数字だけでも回復基調を見せなければならず、2013年政権発足当時に掲げていたリコノミクスの骨子の一つであった「経済刺激策に頼らず信用抑制をはかる」といった目標を崩して、大型財政出動を行い、規制緩和によりインフラ、不動産バブルを認める形で数値改善を誘導した。

習近平国家主席(左)と李克強首相(右)
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