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山本昌の眼にうつる「二刀流・大谷翔平」。ポイントは○○のあと

二刀流として、今シーズン確かな数字を残した大谷翔平を、入団時「そんなに甘くない」と言っていた山本昌はどう見たか。

■「そんなに甘くない」と思っていたけれど……

 

 彼が「二刀流」としてプロに入った当初、私の本音としては「プロはそこまで甘くはない。投手に専念するべきだ」と思っていました。当然、多くのプロ野球関係者の方たちもそう感じていたと思いますが、大谷選手は常識にとらわれずに「二刀流」を確立しました。それは、本人の努力はもちろん、彼を指名した日本ハム、二刀流として育て上げた栗山英樹監督の手腕もあってこその成果です。

 ここまできたら、できるところまで二刀流を続けてほしい。ですが、ひとつ気がかりなのがけがです。

 今は若さ、そしてトレーニングの効果もあり、大きな故障なく二刀流としてプレーできていますが、今後、プロとして試合に出続ける以上、必ずけがに直面する時がやってきます。肩やひじ、下半身。どこを故障するかはわかりませんが、例えば足をけがしてしまいピッチングが困難な状況としましょう。そこで「満足には走れないけど、今までのようにDHで」と試合に出続けるか? それとも、将来的な展望を考え「投手として投げられるまでは治療に専念しよう」と判断するのか? そういった状況下に置かれたとき、大谷選手はどちらを優先するか決断しなければなりません。

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山本 昌

やまもと まさ

1965年8月11日、東京都生まれ。神奈川・日大藤沢高から83年秋のドラフト5位で中日ドラゴンズに入団。プロ5年目、88年の米国への野球留学をきっかけに飛躍し、同年8月プロ初勝利。以後はスクリューボールを武器に活躍する。93年に最多勝利、最優秀防御率のタイトルを獲得すると、翌94年には連続最多勝利と沢村賞に輝く。97年にも最多勝利。2006年9月16日対阪神戦でプロ野球史上最年長の41歳1カ月でノーヒットノーラン、08年8月4日の巨人戦で史上24人目となる通算200勝を樹立。通算581試合に登板し219勝165敗。


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