『モンハン』開発者が明かす
ヒット作を生むチームワーク術
二重チェックの回避、裁量の分配、メール以外のやりとり、etc.
◆メールだけだと言いたいことが伝わらない
そんな両氏が心掛けているのは、意外にも「直接話す」こと。メールベースのやりとりではなく、なるべく相手とコミュニケーションをとることが大切だという。
藤岡D 「いいものを作りたい!」という気持ちは共通ですが、できることとできないことがあったり、現場で意見が衝突したりすることも多い。その場合、彼らの言い分をしっかりと理解するためにも、直接話すことは重要です。
辻本P 実際、僕と藤岡さんは10年以上のつき合いになりますが、メールだけのやりとりだけで終わることってないんじゃないですか? 記録として残るメールは重要だけど、最終的には電話か直接会って話します。そんなコミュニケーションを一貫して続けてきました。
藤岡D 本当に言いたいことがメールの文章で伝えられているなんて分かりません。文章力に自信がない僕は、まず案件だけを箇条書きでメールに添えて、「口頭で補足させて下さい」と同時に伝えます。それは現場のスタッフとのやりとりでも同じです。
辻本P メールベースで続けていると思惑がズレる可能性がありますからね。それを防ぐためにも、やはりコミュニケーションは大切ですよ。
メールやチャットなど、時間や場所を気にせず連絡できるツールは、もちろん仕事上でも非常に有用である。しかし、これらに依存しすぎると、情報の齟齬を生む可能性がある。利便性を求めた結果が、生産性を落とすことに繋がれば本末転倒だろう。
大切なことは口頭で伝える──。チームで仕事を進める上で重要なのは、直接対話のコミュケーションである。それは日進月歩で技術が進むゲーム業界においても同様だった。きわめて当たり前のことに改めて気づかされた。