TPPは空中分解するか…
今こそ振り返る安倍晋三の
TPP嘘つき発言が虚しすぎる
作家・哲学者の適菜収が「安倍政権の無能と欺瞞」を討つ!
安倍晋三首相は14日、参院TPP特別委員会に出席し、TPP発効の可能性がトランプ大統領になることで大変厳しい状況になってきたと自ら認めるに至った。
政治の世界は古今東西一寸先は闇だが、トランプ次期大統領は選挙中にTPPから離脱する意向を語っていたのだから安倍の危機感は本物だろう。オバマ政権は任期中の承認を事実上断念したのは当然。
しかし、なぜそこまでしてTPPの早期発効に焦るのか? だって、当初は「TPP断固反対」と訴えてきた人なのだから。
戦後民主主義育ちの責任感のない人間が「嘘つき」になることを橋下徹の発言の数々を通して糾弾してきた作家・哲学者の適菜収氏は新著『安倍でもわかる政治思想入門』で、こんどは安倍晋三の正体を暴いた。
次の安倍の発言を嘘、不誠実と言わずしてなんと言おうか。
TPPについて 二〇一五年一〇月六日 安倍晋三の記者会見
自民党がTPP交渉参加に先立って掲げた
国民との約束は、
しっかりと守ることができた。
二〇一五年一〇月六日、TPP交渉の大筋合意を受けて安倍は会見を開いた。
「TPPは正に『国家百年の計』であります」
「自由民主党がTPP交渉参加に先立って掲げた国民の皆さまとのお約束はしっかりと守ることができた。そのことは明確に申し上げたいと思います」
「関税撤廃の例外をしっかりと確保することができました」
例によってこれも大法螺だった。
農水省が発表した関税交渉の結果により、聖域重要五品目のうち三割の関税が撤廃されていたことが発覚。
そもそも自民党は二〇一二年の衆院選で「TPPの交渉参加に断固反対」と言っていた。
要するに、安倍は日本人にケンカを売ってんですよ。
JAをはじめとする農業団体は、安倍に騙されたとして、各地で集会を開催。福島を除く東北五県の農協系団体が二〇一六年七月の参院選における「自主投票」を決定した。
ちなみに安倍は子供の頃から嘘つきだったという。
安倍が小学生の頃、宿題の面倒を見ていた乳母が言う。
「『宿題みんな済んだね?』と聞くと、晋ちゃんは『うん、済んだ』と言う。寝たあとに確かめると、ノートは真っ白。それでも次の日は『行ってきまーす』と元気よく家を出ます。それが安倍晋三でした」(『安倍晋三 沈黙の仮面』)
(※適菜収著『安倍でもわかる政治思想入門』本文一部抜粋)
著者略歴
適菜 収(てきな・おさむ)
1975年山梨県生まれ。作家。哲学者。ニーチェの代表作『アンチ・クリスト』を現代語訳にした『キリスト教は邪教です!』、『ゲーテの警告 日本を滅ぼす「B層」の正体』、『ニーチェの警鐘 日本を蝕む「B層」の害毒』、『ミシマの警告 保守を偽装するB層の害毒』(以上、講談社+α新書)、『日本をダメにしたB層の研究』(講談社+α文庫)、『日本を救うC層の研究』、呉智英との共著『愚民文明の暴走』(以上、講談社)、『死ぬ前に後悔しない読書術』(KKベストセラーズ)、『なぜ世界は不幸になったのか』(角川春樹事務所)など著書多数。安倍晋三の正体を暴いた渾身の最新刊『安倍でもわかる政治思想入門』(KKベストセラーズ)が11月16日に全国書店、Amazonで発売。