プロ生活32年で得た教訓。「どん底にこそチャンスがある」<br /> |BEST TiMES(ベストタイムズ)

BEST TiMES(ベストタイムズ) | KKベストセラーズ

プロ生活32年で得た教訓。「どん底にこそチャンスがある」

たくさんのターニングポイントがあった。そこで得た教訓を語る。

■わらにもすがる思いで相談に行った

 僕の場合は前年から、小山先生が考案したトレーニングマシンを利用していた縁もあり、わらにもすがる思いで相談に行くと、投球フォームをはじめ様々な知識を教えていただくことができました。97年に18勝を挙げ最多勝投手になれたのも、小山先生のおかげであることは間違いありません。この年以降は、シーズンオフになると鳥取へ向かい、投球フォームの微調整を繰り返すようになりました。小山先生との出会いは、ターニングポイントだと言えるでしょうね。

 どん底だからこそ「プラスアルファを身につけてから復帰してやる」と、私は思うようになったのですが、2011年に右足首を手術した時もそうでした。

 45歳という年齢を考えれば、ここで手術に踏み切れば引退を余儀なくされるかもしれない。でも、10年から試していた新しい投球フォームに手ごたえを抱いていたため、思い切って手術を決断しました。その結果、12年に3勝、13年はそれを上回る5勝できたわけですから、自分の判断は正しかったと思っています。

 どん底だからこそチャンスからある――。これは、私が32年のプロ野球生活で得た大きな教訓のひとつです。

KEYWORDS:

オススメ記事

山本 昌

やまもと まさ

1965年8月11日、東京都生まれ。神奈川・日大藤沢高から83年秋のドラフト5位で中日ドラゴンズに入団。プロ5年目、88年の米国への野球留学をきっかけに飛躍し、同年8月プロ初勝利。以後はスクリューボールを武器に活躍する。93年に最多勝利、最優秀防御率のタイトルを獲得すると、翌94年には連続最多勝利と沢村賞に輝く。97年にも最多勝利。2006年9月16日対阪神戦でプロ野球史上最年長の41歳1カ月でノーヒットノーラン、08年8月4日の巨人戦で史上24人目となる通算200勝を樹立。通算581試合に登板し219勝165敗。


この著者の記事一覧