危険だらけの「動物治療」からペットを守れ!
ペットは自分で「ここが痛い」「調子が悪い」などということはできません。大切なペットを守るためにも、危険な動物治療の知識を身につけましょう。
私は獣医としてこの問題に向き合い、よりリスクの少ない治療法はないかと、40年近く模索を続けてきました。そして辿り着いたのが、犬に本来備わっている「自然治癒力」を活かした治療法です。生体は細胞でできており、細胞が分泌する蛋白で生命を維持しています。細胞には、自ら増殖して損傷個所を修復しようとする性質があります。手術などで人工的に「無理やり」治そうとすると、細胞に対して大きな侵襲(ダメージ)を与えてしまい、損傷の修復がうまくいきません。侵襲をなるべく小さく抑え、細胞で修復する力を活かして温存し、自然に治すということです。実はその方が、早く強く治ることが分っています。
大切な愛犬を守るためには、まずは飼い主が治療の知識を持ち、獣医を選ぶ目にほかなりません。今はそれしか対応策がないのです。とくに小型犬に急増している骨折、脱臼、椎間板ヘルニアについては、自然治癒力を阻害するような「間違った手術」を施されているケースが頻発しています。愛犬を治療の負のスパイラルに陥れないためにも、飼い主の方々には正しい治療についてしっかりと理解して欲しいと思います。
次回からは自然治癒力を活かした骨折治療や、プレート手術による副作用などについて詳しく解説していきます。
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