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「お荷物不動産」の正しい取り扱い法

放置されたままになっている不動産は管理費ばかりかか る「お荷物不動産」だ。売ろうにも買い手がなかなかつ かない。そんな不動産の正しい取り扱い方を紹介する。

 

定年後のお楽しみだったが……

 今回は、相続人が相続を嫌がるような不動産についてお話しさせていただきます。

 日頃、お客様の相談を伺っていると、結構な数の人が地方の別荘用地等、更地のまま何もしないで持ち続けていらっしゃることを聞かされます。たいていの方は高度成長期からバブル期と言われた時代に、将来別荘を建てようと思ったり、定年後の永住の地として買ったり、値上がりを期待して購入されていたようです。

 中には原野商法で全く資産価値の無いような土地を騙されて買ってしまった方もいらっしゃいました。かつてこのように買われた土地が今、二束三文のような値段で売りに出されています。所有者の皆さんは、実際にそこへ家を建てて移住することを断念されたり、値上がりが期待できなくなって投げ売っているのが実情です。それでも買い手がなかなかつかないのが現実です。

 将来の利用価値を見いだせず、持っているだけでも草刈りの費用や管理費等が発生するような土地であれば、将来その土地を相続する立場の人から見れば、相続する前に処分してほしいと思っているでしょう。

 リゾートマンションもご多分に漏れず、場所や物件によっては投げ売り状態になっています。温泉付きのマンションが300万円、200万円という価格で売りに出されていますが、1年たっても買い手が決まらないなんてケースがざらにあります。

 売れない理由として、管理費の高さを挙げることができるでしょう。広さはワンルームをちょっと大きくしたくらいなのに、管理費等が月額4万円~5万円、年間にして50万円から60万円が管理費等で飛んで行ってしまうのですから、よっぽど頻繁に利用しないのであれば、買うには躊躇してしまうでしょう。所有者の方から見れば、高い値段で買ったものをただ同然で売るのに躊躇されるかもしれませんが、使わないのであれば負担だけが続くのです。ですから将来相続する人も、そのような物件を相続したくないのが本音でしょう。

 別荘地であれば、隣地の方が、安ければ引き取っても良いと言ってくれるかもしれません。なかには、売主さんが所有権移転費用等を負担してまで隣地の方に引き取っていただいたようなケースもありますが、将来持ち続ける負担よりは安いといえる考え方もあると思います。リゾートマンションでは、管理規約や使用細則等で拒絶されていなければ、民泊のような利用形態で賃料収入を得られる場合もあるかもしれません。

 とにかく別荘地やリゾートマンションなどの処分を考えるなら、買った時の値段を度外視して、もってけ泥棒! ぐらいの覚悟で思い切って売ってしまいましょう。

 

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加瀬 義明

かせ よしあき

株式会社湘南財産パートナーズ

代表取締役

不動産相続関連のセミナーを頻繁に行うなど、相続に強い不動産コンサルタントとして精力的に活動中。



宅地建物取引士はもちろん、公認不動産コンサルティングマスター、相続対策専門士、1級ファイナンシャル



プランニング技能士、ファイナンシャル・プランナー(CFP)、米国公認不動産経営管理士(CPM)、



米国公認商業用不動産投資顧問(CCIM)、マンション管理士、賃貸不動産経営管理士など、数々の資格を持つ



不動産・相続のプロフェッショナル。


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