3分で分かるトレンドワード【大型台風】なぜ年々強大化? 11月にも台風上陸の可能性がある?
【大型台風】をNHK気象キャスター、斉田季実治氏が徹底解説①
●気象界で大きなトピックとなった、北海道と東北での台風被害
トオル…なるほど。あ、そういえば今年は北海道でも大きな台風被害がありましたよね? 台風というと沖縄や西日本方面のイメージがあってびっくりしたんですけど…
斉田…そうでしたね。これは僕たち気象予報士の間でも大きな話題になったんですよ。北海道や東北で大きな台風被害が起きる。これはいままでになかった傾向です。北海道では統計をとり始めてから例をみない、1年に3度の上陸でしたし、上陸こそしなかったものの、もうひとつ北海道に接近したものがありました。これも含めると計4つの台風によって、北海道は甚大な被害を受けました。
いまからもう10年以上も前ですが、私は大学・記者時代を北海道で過ごしたのですが、当時は年に1回台風がくるかこないかというレベルでした。それが今年は橋が30個も崩落するという大きな被害になりました。
東北の被害では、台風10号が日本の南の海上をUターンして岩手県大船渡市に上陸しました。東北の太平洋側に上陸というのも観測以来初めてなんです。
シズカ…え、初めてだったんですね。でもなぜ今年はこんなに強大化したのかしら。
斉田…地球温暖化の影響が考えられます。台風は基本的に海水をエネルギーとするので、温暖化によって海水温が高くなると勢力が弱まらずに日本列島にやってくることになります。もちろん年によって変動はありますが、最近はそういう傾向がみられますね。今後も台風の強大化には目を配る必要があるでしょう。
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