法人税減少でアベノミクス失速が確定。
安倍晋三は何を思うのか? 安倍批判の急先鋒・
作家適菜収が振り返る安倍の虚偽発言とは…
作家・哲学者の適菜収が「安倍政権の無能と欺瞞」を討つ批判の毒矢
法人税の減少が確定し、アベノミクスの失速が鮮明になったとのニュースが駆け巡っている。
「2016年度の国の一般会計税収が、法人税収の減少を主因に、7年ぶりに前年度実績(56兆2854億円)を下回る見通しとなった。安倍晋三政権は、税収増を追い風に経済政策「アベノミクス」を推進してきたが、税収減はその転換点となりそうだ。
安倍政権が発足した12年度に43兆円台だった税収は、日銀による大規模金融緩和で進んだ円安・株高で企業業績が改善したことや、14年4月の消費税率8%への引き上げなどで15年度には56.3兆円まで増加した。安倍政権は、税収が当初見積もりから上振れした分を補正予算の財源に活用。「アベノミクスの果実」とアピールし、歳出拡大を続けてきた。
だが、年明け以降に進んだ円高で、自動車など輸出企業を中心に企業業績は頭打ちとなった。足元では、次期米大統領に就任するドナルド・トランプ氏の政策への期待感から円安・ドル高となっているが、「先行きがどうなるかは分からない」(市場関係者)状況。来年度以降、税収の回復が見込めなければ、政策見直しを迫られる可能性もある。」(「毎日新聞」より)
安倍晋三首相はこの状況に対して何を思うのか?
そしてどんな発言をするのか?
これまでもアベノミクスを強引に推進するために、安倍首相は平然と虚偽発言を繰り返してきた。その発言を振り返っておく必要があるだろう。
なぜなら、もうこのような愚昧な政策を繰り返さないために、である。
※以下、適菜収著『安倍でもわかる政治思想入門』から本文一部抜粋引用します
経済政策について② 二〇一三年一二月一九日 日本アカデメイアでの安倍晋三発言
「大企業の業績の果実が、
国内の中小・小規模企業、そしてその従業員の
皆さんに行き渡らないようであれば、
アベノミクスは失敗であると、
私は考えています。」
大幅な法人税減税などにより、一部の大企業は儲かっています。
株価も上がっている。
しかし、実質賃金は下がり続けている。
もちろん、中小・小規模企業、および従業員に果実は行き渡っていない。
よって、アベノミクスは失敗である。
面白かったのが、二〇一六年一月一日放送のテレビ朝日の『朝まで生テレビ!』。
アベノミクスについて論じられる中、竹中平蔵はトリクルダウン(富裕層が富めば経済活動が活発になり、その富が貧しい者にも浸透するという経済理論)に言及。
「滴り落ちてくるなんてないですよ。あり得ないですよ」
え?
これまで竹中が言ってきたことはなんだったのか?
二〇一三年に出版された『ちょっと待って! 竹中先生、アベノミクスは本当に間違ってませんね?』で竹中は「企業が収益を上げ、日本の経済が上向きになったら、必ず、庶民にも恩恵が来ますよ」と述べている(『日刊ゲンダイDIGITAL』二〇一六年一月四日)。