法人税減少でアベノミクス失速が確定。
安倍晋三は何を思うのか? 安倍批判の急先鋒・
作家適菜収が振り返る安倍の虚偽発言とは…
作家・哲学者の適菜収が「安倍政権の無能と欺瞞」を討つ批判の毒矢
構造改革について 「フィナンシャル・タイムズ」二〇一四年六月三〇日の安倍晋三発言
「私の第三の矢は日本経済の悪魔を倒す。」
二〇一四年六月三〇日、安倍は英紙「フィナンシャル・タイムズ」に、「私の第三の矢は日本経済の悪魔を倒す」と題した論文を寄稿。法人税率の引き下げ、外資を呼び込むための規制撤廃、エネルギーや農業、医療分野の外資への開放など、構造改革を断行すると訴えた。
また、少子高齢化社会において経済成長を続けるために、女性の社会進出、家事を担う外国人労働者の雇用を可能にすると約束。
二〇一四年一月二二日、安倍はスイスのダボスで次のように発言している。
「昨年終盤、大改革を、いくつか決定しました。できるはずがない――そういう固定観念を、打ち破りました。電力市場を、完全に自由化します」「二〇二〇年、東京でオリンピック選手たちが競い合う頃には、日本の電力市場は、発送電を分離し、発電、小売りとも、完全に競争的な市場になっています」「医療を、産業として育てます」「コメの減反を廃止します」「既得権益の岩盤を打ち破る、ドリルの刃になるのだと、私は言ってきました。春先には、国家戦略特区が動き出します。向こう二年間、そこでは、いかなる既得権益といえども、私の『ドリル』から、無傷ではいられません」
これは普通の日本人の発想ではない。
記事では具体的になにが「悪魔」なのか示されていないが、要するに、構造改革に反対したり、法人税率の引き下げに反対したり、外資を呼び込むための規制撤廃に反対したり、エネルギーや農業、医療分野を外資に開放することに反対したりする人々のことを、安倍は「悪魔」と言いたいわけでしょう。
どこかの宗教団体のスローガンも「悪魔を倒す」だったが、同胞を悪魔扱いするのは、異常としか言いようがない。
(※話題の新刊『安倍でもわかる政治思想入門』重版出来記念。本文一部抜粋)
著者略歴
適菜 収(てきな・おさむ)
1975年山梨県生まれ。作家。哲学者。ニーチェの代表作『アンチ・クリスト』を現代語訳にした『キリスト教は邪教です!』、『ゲーテの警告 日本を滅ぼす「B層」の正体』、『ニーチェの警鐘 日本を蝕む「B層」の害毒』、『ミシマの警告 保守を偽装するB層の害毒』(以上、講談社+α新書)、『日本をダメにしたB層の研究』(講談社+α文庫)、『日本を救うC層の研究』、呉智英との共著『愚民文明の暴走』(以上、講談社)、『死ぬ前に後悔しない読書術』(KKベストセラーズ)、『なぜ世界は不幸になったのか』(角川春樹事務所)など著書多数。安倍晋三の正体を暴いた渾身の最新刊『安倍でもわかる政治思想入門』(KKベストセラーズ)が発売即重版。全国書店、Amazonにて好評発売中。