預託料の支払いが遅れる馬主、6月から始まる2歳戦への影響、夏のセレクトセール開催の危機、コロナ禍が及ぼすもう一つの影
かろうじて春GⅠのクラシック戦線も開幕。6月からは早くも新馬が始まるため2歳馬の入厩も増えて始めている一方、2歳馬のトレーニングセールは順調とはいかず…
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■無観客競馬開催も手放しでは喜べない…。出走馬が集まらない最悪の事態が刻々と忍び寄る
本来なら春の競馬シーズン真っ盛りという時期だが、ご承知の通り無観客競馬が続いている。競馬が開催されるだけでもありがたいのは確かだが、あらゆるところにコロナ騒動の影響は出ているのだ。
東西のトレセンには2歳馬の姿がぽつぽつと目立ち始めた。6月1週目のデビューに向けた馬やとりあえずゲート試験だけを受けさせようという馬が入厩している。この世代から明け3歳の新馬戦がなくなることも早期入厩に繋がっているようだ。
一方、4月、5月に行われる予定だった2歳トレーニングセール系は軒並み大きな影響を受けた。専門紙TMは次のように語る。
「JRAが主催するブリーズアップセールはメールによる入札となった。最近はほぼ完売するセールだったし、ここで馬を仕入れてもらう調教師も少なくなかった。また、千葉サラブレッドセールは6月に延期。新馬戦が始まるのとほぼ同時のセールで社台F生産の2歳馬がメインとはいえ、どこまで売れるかは微妙だろう。HBAトレーニングセールは中止に追い込まれた。こういった2歳セールに向けて馬房を残していた調教師たちも影響を受けるよね」
2歳セールのメリットは実践並の仕上がりの良さがポイントのひとつ。実馬が見られなかったり、仕方がないとはいえ開催時期がズレてしまうことは2歳トレーニングセールの意味をなさなくなるのだ。リーディング上位厩舎はたしかにこの手の2歳トレーニングセールの馬を受け入れる余裕は元々ないのだが、中堅や若手調教師には大きな影響を与えそう。2歳セールではないが、国内最大のセールといわれるセレクトセール、続くセレクションセールも7月の開催が危ぶまれている。
「その頃はさすがに緊急事態宣言が解かれて人の移動も解禁されていることを祈るけど、セレクトも、セレクションも多くの人が集まりやすいセールだけに主催者も頭を悩ませていることだろう。セレクトは9月に延期するという噂もチラホラ流れているよね。
となると、千歳市内のホテルや飲食店は大きな影響を受けるんじゃないかな。セレクトセール週はビジネスホテルでも1泊12000円を超える値段で強気に設定されているからね。9月に移動されたとしてもそのままスライドして客が泊まるかは分からないよね」
もちろん、無事に開催されたとしても、馬主側の財布が堅くなっていることも想像される。
「この騒動で大きく影響を受ける人は多いだろう。事実、預託料が遅れ気味な馬主もいるほど。リーディング上位厩舎はそれなりに安定しているかもしれないけど、個人中心のところはいろいろと危ない噂も少なくないよ」
開催が続いてもこの状況で心配が絶えない。セールなどは開催に直接影響を与えるものではないが、牧場はもとより影響を受ける調教師も少なくなく無事に乗り切れるかどうかが心配されている。