「決まる確率が高いのは、どんなシュートか」 “最先端のスポーツ理論を語る場所”はどう答えるのか。
スポーツ業界が注目する『A.L.E.14』――その全容に迫る
伝える側もスポーツを進化させられる
唐突だが、皆さんはスポーツの言葉をどのくらい理解しているだろうか。
例えば野球の指導において。
「最後までボールをしっかり見て打ちなさい」
例えばサッカーの解説において。
「(決定力不足のチーム、)シュートを打たなければゴールは生まれません」
いずれもスポーツ好きならば聞いたことがある言葉のはずだ。では続けて聞いてみたい。
「なぜボールを最後まで見る」必要があるのか、「なぜシュートを打たなかったのか(打てなかったのか)」。そこまで考えたことがある人はどれくらいいるだろうか。
スポーツの言葉、ときにそれは真実であっても何も説明していない、ことがある。いや、巷に溢れるスポーツの言葉は、むしろそうした何も説明していないことのほうが多いのかもしれない。
「伝える側にもスポーツを進化させる何かがある」
そう断言するのはスポーツジャーナリストの中西哲生氏だ。名古屋グランパエスエイト、川崎フロンターレでプレーした現役当時から、多くのメディアに寄稿をするなど、伝え手としての役割も担い、引退後は『Get Sports』(テレビ朝日)をはじめとしたスポーツメディアでより積極的に活動をしてきた。
そんな中西氏らが中心となってはじめた「A.L.E.14」(エイル・フォーティーン)という、スポーツに特化したプレゼンショーがスポーツ業界で注目を集めている。
恵比寿の一角で行われるこのプレゼンショーは、(さながら)アップルの創業者「スティーブ・ジョブズのプレゼン」を彷彿とさせる。四方を大型ビジョンが囲む200人規模の会場で、スポーツにおける最先端の理論を持った識者(プレゼンター)が舞台に立ち、その見識、意見を披露していく。プレイベントとなった「#00」では聴衆に五輪メダリストや元Jリーガーなども参加し、耳を傾けた。この「#00」でプレゼンターを務めた中西氏は言う。
「スポーツには3つの楽しみがある。それは『観る楽しみ』『やる楽しみ(PLAY)』『語る楽しみ』です。日本において、『観る』と『やる』ということに関しては発展してきました。ただ、『語る』ことはどうしても居酒屋でちょっと盛り上がる、くらいの――言い方は悪いかもしれないですけど、与太話で終わってしまうことが多いのを感じてきた。僕は、ずっとその『語る』ところをより深めることが必要なんじゃないか、と思っていました。
そんなときにこの『A.L.E.14』を一緒にできませんか、というお話をいただいてやりたいな、と。『A.L.E.14』はすでに2回行っているんですけど、スポーツに関する最先端の論理を持った人が集まって話しをするリアルな場です。そこで出会う人から聞く言葉は、僕にとっても新たな発見の連続です。結局、みんな語りたいんです(笑)。既存のスポーツの言葉ではカバーできないものを。そう感じました。この場でスポーツについての新しい「言葉」を生んでいき、伝える側からもスポーツを進化させていきたいと思っています」
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