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米国人弁護士が断罪する東京裁判という茶番

ケント・ギルバート著の最新刊『米国人弁護士が「断罪」東京裁判という茶番』12月16日発売。

「A級戦犯などいない」日本はアメリカによって犯罪国家に仕立てられたのだ。来日から40年、日本を愛し、知り尽くした著者だからこそいえる真実。東京裁判開廷70年。日本人よいかこそ覚醒せよ!

 

 
 

 正直に告白すれば、私はほんの数年前まで、「東京裁判」について詳しく調べたり、深く考えたことなど一度もなかった。「侵略戦争」という犯罪行為を行った日本の指導者を、連合国側が裁判にかけて、とくに罪が重い「A級戦犯」である7人が死刑になったという、「お仕着せの認識」しか持っていなかったのだ。

 本書後半の漫画の原作者である加瀬英明先生とは、保守派のジャーナリストである植田剛彦氏を通じて二十数年来の友人であり、平成五年には『日米知ってるつもり大論争』(日本教文社)という共著を出版したこともある。
しかし、加瀬先生も植田氏も、アメリカ人である私に遠慮したのか、東京裁判が茶番だという話は教えてくれなかった。いや、仮に教えてもらったとしても、昔なら「根拠のない陰謀論だ」と決め付けて怒っただろう。

 1980年から東京に住み始めて以来、「靖国通り」は数えきれないほど通ったことがあったが、靖国神社の境内に足を踏み入れたのは、2015年5月が初めてだった。ちなみに、その1年前の私は、靖国神社にはいちばん罪が重い「A級戦犯」があえて合祀されているのだから、日本が仕掛けた戦争に巻き込まれてひどい目に遭った、中国人や、韓国人が、日本の内閣総理大臣による靖国神社参拝に怒るのは当然だと思っていた。さらに、「A級戦犯だけを分祀すればいいのに……」とも考えていた。
 今から振り返ると、トータルで40年近くも日本に住みながら、しかも、戦後の日米関係研究の第一人者との人脈まで持ちながら、自分は何と無知だったのかと恥ずかしくなる。
 しかし、弁明するならば、日米どちらの国民も、自らの意志で歴史の真実を調べない限り、教育や、マスコミ報道を通じて、偏った考えを植え付けられてしまうものなのだ。
 本文で詳しく述べるが、GHQ(連合国軍総司令部)は日本を占領中に、「ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム(WGIP)」と名付けた心理作戦を通じて、日本人に「自虐史観」を植え付けた。「戦争の放棄」を規定した日本国憲法第9条こそが、WGIPの主柱であるというのが、最近になって得た、私の結論である。
 一方で、私たち米国人には、「リメンバー・パールハーバー」などの戦時プロパガンダや、無差別空襲、原爆投下、そして東京裁判などを正当化するために、「戦勝国史観」が植え付けられている。日米両国とも「洗脳」や「マインドコントロール」と言っても過言ではないことが、現在進行形で行われている。そして「洗脳」とは、何らかの強いきっかけがなければ気付かないものである。

 私の場合は、朝日新聞が2014年8月に行った「慰安婦報道の誤報取り消し」が、自分の洗脳状態に気が付くきっかけとなった。日本の三大紙である朝日新聞が、そんな無責任な大嘘を何十年も報じ続けていたとは想像すらしなかった。昔からテレビや、新聞の情報を盲信していたわけではないのだが、自分がこれまで「常識」だと考えていた情報を、すべて疑ってみて、謙虚な気持ちで一から調べてみる必要性を強く感じたのである。
 もし、日本で暮らした経験を持つ外国人が、「日本兵は20万人もの朝鮮人女性を慰安婦にするために強制連行した」とか、「南京では30万人もの民間人を大虐殺した」、あるいは「731部隊は残酷な人体実験を行っていた」と信じていたら、「日本人は規律正しくて優しいのに、なぜ先の戦争のときは残虐だったのだろう?」という疑問に必ずぶつかるはずだ。

  私は初来日した1971年から、朝日新聞の誤報取り消しがあった約2年半前まで、40年以上もの間、この疑問への回答を出せずにいた。
 事実を知ってしまえば何のことはない。日本人は戦争中も、規律正しくて優しかったのだ。先に挙げた3例は、世界中の人々に広く信じられているが、まともな証拠が存在しない、事実を知る人は少ないだろう。「戦争中の日本人は残虐だった」という、思い込みこそが、プロパガンダによる洗脳の結果であり、完全に間違った認識なのだ。
 実際には、目を背けたくなるような残虐行為は、むしろ米軍の方がひどかった。こちらには明白な証拠が残っている。

 本書では、アメリカ人である私がショックを受けた話も、当時の資料に基づいて「ファクト(事実)」と思われるものは載せることにした。
 ただし、本書の内容を鵜呑みにすることはやめてほしい。私は歴史の専門家ではないし、本書に載せた情報の根拠資料を、すべて細部まで読み込んだ自信もない。もし間違いだと思われる記述を発見したら、遠慮せずに指摘や反論をして欲しい。単なる感情論ではなく、証拠を伴うものであれば大歓迎である。

 本書が、東京裁判の問題点のみならず、第二次世界大戦の真実や、戦後体制の問題点について、証拠に基づいた冷静な議論を行うきっかけとなることを希望している。

【目次】

序章 歴史戦は、いまも戦われている 

歴史戦は、真珠湾攻撃以前から仕掛けられていた
アメリカが仕掛けた戦争なのに、日本が侵略国にされる『歴史戦』
ホット・ウォーだけが、戦争ではない
『歴史戦』の最大の武器が、東京裁判という『プロパガンダ劇』だった
いまも日本を呪縛する東京裁判の呪い
日本に「A級戦犯」は、いない!
英霊が祀られているのが、靖国神社
英霊は、「戦争の犠牲者」ではない
日本を「犯罪国家」に仕立て上げた東京裁判

第一章 東京裁判は、WGIPのための『プロパガンダ劇場』だった 

『条件付き降伏』だったポツダム宣言
WGIPとしての東京裁判  
存在しない法による一方的な裁き
東京裁判という茶番
フーバー大統領回顧録の『証言』
フーバー大統領回顧録のなかにある、ルーズベルト「狂人」説を敷衍して
準備されていた対日戦争

第二章 戦争を起こしたのは、アメリカだった 

アメリカ人こそ真実に気づくべき
対米戦争を回避しようと努めた日本
初の日本本土空爆
ルーズベルトによる挑発
対米戦争は想定されていなかった
実現しなかった日米会議

第三章 残虐行為をしたのもアメリカだった

厩舎に押し込められた、日系アメリカ人
人間扱いされなかった日本兵
 
第四章 東京裁判への道 

昭和十八年十月二十日に始まった、戦争犯罪調査
日本占領を尊大な態度で演じたマッカーサー元帥
東京裁判に反対だったマッカーサー
極東裁判所設立をめぐる、アメリカの傲慢と、独裁、イギリスの反発
いわゆる「A級戦犯」容疑者の逮捕
東京裁判で判事になる資格のなかったウェッブ裁判長
「A級戦犯」の被告の数は、物理的なスペースで決まった
後になって「法」を作って「罪」を被せた「事後法」裁判
検察側は宣誓のない供述も証拠採用し、弁護側に有利な証拠は却下された
裁判所条例をつくって実行した、インチキ裁判
東京裁判二十八名の被告

第五章 東京裁判への道 

一九四六(昭和二十一)年五月三日(金)裁判開廷
大川周明、東条英機の禿頭を叩く
裁判冒頭に『管轄権』を問いただした清瀬一郎弁護人
裁判の内容を把握できていない判事たち
なぜ『共同謀議』が、東京裁判で問題にされたのか
「侵略戦争を起こした共同謀議」は、定義も実体もまったく不明だった
『日本に世界征服の目的があった』という、プロパガンダ
英米法で『悪魔の落とし子』とされる、共同謀議
「侵略戦争」は、定義されていなかった
本人が犯した戦争犯罪では、誰一人として起訴されなかった
圧巻だった東条英機の宣誓供述
アメリカの政治的都合で、いわゆる「A級戦犯」の裁判も急遽取りやめ

第六章 侵略戦争の「共同謀議」も「南京大虐殺」も、すべて虚構だ 

日本人が、自ら「侵略戦争だった」という愚
『パリ不戦条約』は、まったく機能不全に陥っていた!
『南京大虐殺』で、日本を犯罪国家にしたかったアメリカ

第七章 アメリカの当事者も、東京裁判の判事たちも批判した東京裁判 

日本は「東京裁判を受け入れた」のではない
東京裁判の判事も、アメリカの要人も、東京裁判を批判している

終章 東京裁判史観は、間違っていた 

アメリカで起こった日米戦争史観の見直し
『ヴェノナ文書』の衝撃
『フーバー回顧録』が否定した東京裁判史観
ルーズベルトの罪状を論じたフーバー大統領回顧録
『東京裁判史観』の否定は、反米でも歴史修正主義でも全くない

巻末コミック 原案 加瀬英明
歴史の再審・ワシントン平和裁判 
戦争犯罪国家として裁かれるのはアメリカだ!

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ケント・ギルバート

1952年、アイダホ州に生まれる。1970年、ブリガムヤング大学に入学。翌1971年に初来日。その後、国際法律事務所に就職し、企業への法律コンサルタントとして再来日。弁護士業と並行してテレビに出演。2015年、公益財団法人アパ日本再興財団による『第8回「真の近現代史観」懸賞論文』の最優秀藤誠志賞を受賞。著書に『儒教に支配された中国人と韓国人の悲劇』、『中華思想を妄信する中国人と韓国人の悲劇』(ともに講談社+α新書)、『リベラルの毒に侵された日米の憂鬱』(PHP新書)、『日本人だけが知らない世界から尊敬される日本人』(SB新書)、『米国人弁護士が「断罪」東京裁判という茶番』(小社刊)などがある。


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  • ケント・ギルバート
  • 2016.12.16