※『日本人が知っておくべき「日本国憲法」の話』KAZUYA/著(KKベストセラーズ)より一部抜粋
生誕70年―。「日本国憲法」のバグはないのか?
日本人が知っておくべき「日本国憲法」の話 第2回
今年(平成28年)は「日本国憲法」公布から70年。来年(平成29年)5月3日で、施行70年の節目です。1年以上止まっていた「憲法審査会」も再開され、がぜん憲法改正への流れができつつあります。しかし、私たち主権者たる国民は、憲法についてどれだけ理解しているでしょうか……。新刊『日本人が知っておくべき「日本国憲法」の話』の著者KAZUYA氏が、TV・新聞が報じない、憲法の“常識”について語りますー。短期集中連載、第2回目のテーマは「改憲という選択肢」です。
日本国憲法が公布されたのは1946年11月3日のことです。この日は明治天皇のお誕生日で、かつては「明治節」と呼ばれる祝日。現在は「文化の日」となっています。
それから半年後の1947年5月3日に施行されました。語呂も「ゴミの日」で覚えやすく、現在は「憲法記念日」となっています。
つまり、今年(2015年)で公布70年、来年は施行70年という節目を迎えることになります。世界各国では何度も憲法改正が行われる中、日本国憲法は誕生以来一度も、一字一句なんら変わることなく今の今まで来ているのです。
「それって日本国憲法はまったくバグのない、パーフェクトな憲法ってことじゃないの?」と思われる方もいるでしょう。しかし、そうでしょうか。事実、日本国憲法にも様々な不備が見られます。ではそういった不備をどうしていたのかというと、解釈でごまかし続けてきたにすぎません。
もしくは「あれ? バグに見えるけど、実はこれバグじゃないんじゃね?」と、バグをバグではなく、そういう味であり仕様だと無理やり自己説得しているような状態です。
当たり前ですが、「他国がみんな改正しているんだから、日本もとにかく改正すりゃいいんだ」と主張するわけではありません。日本では憲法の話になると極端に絶対に変えてはいけないと主張される方が大声を出しているので、毒されて「憲法は変えてはいけないもの」という、変な先入観を持ってしまう方が多いのかもしれません。
まずは憲法について考える上で、先入観を捨てて「改憲する“”選択肢”もあるのだ」と考えていただくといいと思います。少なくとも日本以外の多くの国は、必要なときに改正をしてきています。